UN Womenロゴ

特定非営利活動法人UN Women(国連女性機関)日本国内委員会

National Committee Japan

 Home  会員募集  募金・寄付によるご支援  UN Women  リンク  サイト内検索  サイトマップ  更新履歴

UN Women

今こそ男女平等の約束を実現させる時
 ――2011年国際女性デーに寄せて――

ミチェル・バチェレUN Women事務局長のメッセージ 2011年3月8日
 100年前の今日、世界中の女性たちは平等実現に向けて、長い道のりの歴史的な一歩を踏み出しました。初めて国際女性デーが催されたのは、世界中の女性たちが直面していた受容しがたい危険な労働環境に目を向けさせるためでした。この日を祝ったのは一握りの国々に過ぎませんでしたが、100万人の女性たちが町に繰り出し、職場環境の改善のみならず、選挙権、働く権利、男女平等を求めました。

 こうした勇気ある先駆者たちが今日の世界の実状を見たなら、誇りとともに失望も相半ばする思いを抱くのではないでしょうか。この100年の間に女性の法的権利はかってないほど向上し、その進歩には目を見張るものがありました。確かに女性の権利の前進は世界がかつて経験した最も意味深い社会変革のひとつと言えましょう。

 100年前、女性に選挙権を認めていたのは2カ国に過ぎませんでした。今日、その権利は事実上普遍的なものとされ、どの大陸でも、女性が政府の首脳を務める例は珍しくありません。また女性たちはかって門戸が閉ざされていた職業でも、高い地位につくようになりました。その後、近年になってからでさえ、警察、裁判所、隣人は家庭内暴力を個人の問題とみなしていましたが、今日3分の2にのぼる国々が家庭内暴力を処罰する法律を備えており、国連安全保障理事会も性的暴力を意図的な戦略の手段であると認めています。

 しかし前世紀に見られたこの進歩にもかかわらず、初の国際女性デーで叫ばれた男女平等を達成するにはまだ長い道のりがあります。読み書きのできない人の3分の2は女性です。女児は男児に比べいまだに学校に行ける可能性が低いのです。安産の知識や技術があるにもかかわらず、毎日90秒毎に一人の女性が出産あるいはその合併症で命を落としています。

 世界のどこの国でも、女性は男性と同じ仕事をしてもその賃金は低いのです。多くの国で、女性は土地所有権・相続権の面で平等に扱われていません。また目覚しい進歩にもかかわらず、女性が州議員に占める割合は19パーセント、和平交渉への参加は8パーセント、そして国家元首の人数は28人にすぎません。

 この差別で不利益を被っているのは女性だけではありません。私たちのすべてが全世界の半分の能力・才能を活用できていない損害を受け、民主主義の質、経済力、社会の健全性、平和維持力を損なっているのです。今年の国際女性デーのテーマは、教育、研修、科学技術への平等なアクセスであり、このような女性の能力を開発する必要性を強調しています。

 ジェンダー平等、女性の権利確保は、南北の区分や貧しい国、富める国の別なく、すべての国に突きつけられたグローバルな課題です。国連が4機関を統合してUN Womenを創設したのは、これらの権利の普遍性とそれが確保できた場合の成果を認識しているからです。光栄にも私が長を務めるこの組織の目標は、国連機関全体を活性化させて国連憲章に謳われた男女同権の約束を実現させることです。それは私が一生をかけて戦ってきたことでもあります。

 私は若い母親として、また小児科医として家庭と仕事の両立をはかることに苦労してきましたし、育児施設の不足によって、いかに女性が報酬を得る仕事から締め出されてきたかを見てきました。これらの障害を取り除く力になれるのではないかと考えたのが、私が政界に足を踏み入れた理由のひとつでした。家族に育児・保険サービスを提供する施策を支援し、社会保障のための公共支出を優先させてきたのもそのためでした。

 大統領として、私はチリが直面する課題に、男性も女性も平等にその能力や経験を寄与できるように努めてきました。だからこそ男女同数の内閣を提案したのです。

 UN Womenの事務局長として、今までの経験や知識を生かして世界中がジェンダー平等に向かって前進してゆけるよう力を尽くします。男女ともどもと、そしてリーダーや市民、市民社会、民間部門、全国連機関と手を結んで、各国がこの崇高な目標を達成するための施策・プログラム・予算を打ち出せるよう支援していきたいと願っています。

 私は、女性たちは機会さえ与えられれば、過酷な状況にあっても自分たちの家族や社会のために多くのことを達成できることをこの目で見てきました。女性の強さ、勤勉さ、知恵はまさに人類最大の未開発資源といえます。この可能性を拓くのに、この先100年も待つわけには絶対いかないのです。
   訳:本田敏江  監修:平野和子(UN Women日本国内委員会常任理事)



Copyright (C)2007 UNIFEM JAPAN(旧名称)