北京行動綱領を前に進めよう!*i
2020年3月30日
プムズィレ・ムランボ=ヌクカUN Women事務局長から『女性の権利報告』についてのメッセージ
ジェンダー平等に関する史上最大の会議、第4回国連世界女性会議が1995年に中国の北京で開催されました。その年に加盟国が合意した北京宣言と行動綱領は、今でもジェンダー平等と女性・少女のエンパワーメントを実現する上で最も包括的で変革につながるアジェンダとなっています。
しかしながらその進捗状況を見ると、アジェンダが当時の約束通り実行されたとはとても言えないことが明白です。この25年間、政治・社会・経済・環境は複雑に目まぐるしく変化し、女性・少女の人生のある分野では歓迎すべき前進が見られました。しかし同時にすさまじい反動も見られ、やっと勝ち取った女性の権利やより広い開発目標の前進を妨げました。
貧困、差別、暴力はいまだに女性や少女の人生を脅かしています。権力の座や決定の場に女性が少ないことはいまだに当たり前のことになっています。我々はこれを変えていかなくてはなりませんが、これ以上待てません。平等というのは権力の座の椅子を4分の1占めればよいというものではありません。でもそれが今の女性の現状なのです。国会の75%、経営者の73%、気候変動の交渉者の70%、そしてほとんどの平和交渉者は男性が占めています。半分に届かなければ平等とは言えないし、そうならない限り十分とは言えません。
この報告書に記されている北京行動綱領の評価は、170ヵ国もが参加して実施された、かってないほど包括的で参加型の女性の権利の棚卸に基づいています。それはどこにギャップがあって、どこにチャンスがあるかに光を当て、効果的な解決策を提案しています。同時にどんな分野で取り組みが中断してしまったか、再度積極的に実行に移していくにはどうしたらよいかを端的に示しています。これはまた「国連行動の10年」や「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の成功にも欠かすことができません。しかもその両方の基にあるのがジェンダー平等なのです。
2020年は節目となる年です。UN Womenの「平等を目指す全ての世代」キャンペーンによって促され、支援されて女性の権利運動が広まっています。我々は各国政府、国連、市民社会、民間部門が参加する6つのアクション・コアリション(ジェンダー平等実現のために行動を起こす連合体)を立ち上げました。参加組織の連携によってリソースを生み出し、ジェンダー平等に画期的成果をあげることを目指しています。我々はまだ平等と言える世界を手にしていません。でもかならずそれを創り出す決意であり、達成するまで止まることはありません。
*i UN Womenが北京+25の進捗状況を記した報告書”Generation Equality: Women’s Rights in Review 25 Years after Beijing”の序文。全文(英語)はこちらをご覧ください。https://auth-hq.unwomen.org/-/media/headquarters/attachments/sections/library/publications/2020/gender-equality-womens-rights-in-review-en.pdf?la=en&vs=934
カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会