女性器切除(FGM)の根絶のための国際デー FGM根絶のための国際デーにむけたUN Womenのステートメント
2021年3月5日
今こそ、FGM根絶のために連携し、資金を提供し、アクションを!
2021年2月6日
ヤッタ・ファーンブレーさんは、リベリアの北西部で、FGMを含む少女の成人儀式を執り行うことで35年間生計を立ててきました。FGMは少女の身体とその人権を侵す慣習ですが、彼女はFGMを生業としている女性のひとりです。何度もFGMを辞めようと思いましたが、自分や家族を支える他の生計手段が見つかりませんでした。でも今は、EU-UN スポットライト・イニシャティブの研修を受けてケータリング業者)になっています。この研修にはFGMを生業としている300人が参加し、気候変動に適応した農業、石鹸作り、縫製などで生計をたてなおすことを学んでいます。
このプログラムは、UN Womenとパートナーが、伝統と文化を担うリーダーと協働して、FGMのような有害な慣習を維持している規範を変えていこうとするものです。COVID-19(新型コロナウイルス感染症)パンデミックが生計を脅かし、経済的脆弱性を高め、ジェンダー平等分野で勝ち得た貴重な成果を危ういものにしている昨今、この活動は以前にもましてより重要になりました。
30年前に比べれば、今日の少女たちはFGMを受ける可能性が3分の1減っています。にもかかわらず、COVID-19パンデミックのせいでFGMは増えているように見えます。これは私たちの活動の中心をなす予防活動の範囲を狭めるだけでなく、経済が悪化する中、昔からFGMを担っていた人達が収入を求めて仕事を再開することにつながってしまいました。彼女たちは仕事を探して一軒、一軒、戸をたたき始めたのです。ここでアクションを取らないと、2030年までには、FGMは200万件にも達するでしょう。しかし、アクションを取れば十分に避けられるのです。
UN WomenやUNDP(国連開発計画)のデータによると、今回の危機は2021年までに9600万人の人々を極端な貧困に追いやります。これは、極限的な身体的及び経済的不安定を緩和する負のメカニズムとしてのFGMや児童婚につながるものです。疎外されている社会集団にいる少女は、FGMや児童婚のリスクがさらに高くなります。パンデミックで学校が閉鎖されると、少女たちに自宅でFGMを施す機会が増えます。これは合併症やCOVID-19感染リスクを高めるだけです。1100万人の少女たちが学校に戻る可能性がほとんどない中、将来の世代は教育を受けられず、FGMの継続を支援する可能性が高まります。
FGM根絶のための国際デーは、色々な場で私たちが声をあげ、影響力を行使して、変革をリードできるチャンスです。具体的には、成果が見られるアプローチに投資する、女性団体をサポートする、コミュニティや地方自治体の取るアクションに説明責任を求める、FGMのサバイバーに保健・社会福祉などの基本的な支援を提供する、少女や若い女性の声に耳を傾け、彼女たちが自分の身体や人生をどうしたいか決められるようにする、などです。
ヤッタのように人生を変えた女性のストーリーは、必要な支援と意思さえあれば色々なことが可能であること、現在および未来世代の何百万人に及ぶ少女が、健康で教育を受けることがいかに大切であるかを教えています。COVID-19はまたこの分野の成功を当然のものとして考えてはならないことも示しました。今年開催される予定のUN Womenの「平等を目指す全ての世代のためのフォーラム Generation Equality Forum」は、私たちがFGM及び女性・少女に対するあらゆる種類の暴力を撤廃するために連帯行動がとれるまたとないチャンスです。このフォーラムは、この4半世紀の中で、ジェンダー平等に投資して実践する最も重要な集まりとも言えます。私たちは、ジェンダーに根差す暴力やセクシャル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)をテーマとするアクション・コアリションを通して、思春期の少女に焦点を合わせたこの活動を進めていくため、多くの人々の意思とリソースを活用していきましょう。これを機会に#Act2EndFGMをフォローし、真にジェンダー平等な世界の実現を目指しましょう。
カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会