画期的なコミットメントと、2026年までにジェンダー平等を前進させるためのグローバル促進計画(Global Acceleration Plan)を発表して、「ジェンダー平等を目指す全ての世代のためのフォーラム」がパリで閉幕(抄訳)
2021年7月5日
2021年7月2日
フランス、パリ、2021年7月2日―「ジェンダー平等を目指す全ての世代のためのパリフォーラム」は、大胆なジェンダー平等コミットメントを発表し、2026年までにジェンダー平等を加速させるためのグローバル5年計画を立ち上げて、閉幕しました。フォーラムの大胆かつアクション思考のアジェンダは、400億米ドルの確約された投資と政府、慈善団体、市民社会、青年団体、民間部門からの大胆な政策やプログラムへのコミットメントで裏打ちされています。この歴史的な成果は、まさに世界がCOVID-19の女性・少女への偏った影響を検証しているときに達成されたものです。ジェンダー平等提唱者は、再建時に女性・少女が取り残されないよう、ジェンダーの視点を入れた復興刺激策の作成を強く求めています。
「『ジェンダー平等を目指す全ての世代のためのフォーラム』は力関係や考え方に前向きかつ歴史的な変化をもたらしました。私たちは社会の様々なセクターを動員して、強力な力となり、ジェンダー平等に新しい章を開きました」とプムズィレ・ムランボ=ヌクカUN Women事務局長は述べています。「フォーラムは、パートナーを繋ぐエコシステム、ジェンダー平等を阻む高い壁に挑むのに必要なエネルギー、投資、コミットメントなどによって、女性・少女にかってないような迅速な進歩をもたらすでしょう」UN Womenはフォーラムの5年アクション計画を実現する上でとても重要な役割を果たします。
「ジェンダー平等を目指す全ての世代のためのフォーラム」の大使兼事務総長のデルフィーㇴO氏は、フランス政府を代表して次のように述べました。「私たちは、2年間、加盟国、市民社会、慈善団体、民間団体と協働し、ジェンダー平等と女性の権利を前進させるため、かってない額の投資を呼び込むことに成功しました。同フォーラムは、効果的な多国間主義の下でグローバルな課題に新しいやり方で取り組み、国際的な課題の優先順位を逆転させ、あまりにも長い間過小評価されてきたジェンダー平等を気候変動、教育、保健とともに国際社会の長期的な優先課題としました。フランスはこれからもジェンダー平等の進歩を加速する最前線にい続けます」
フォーラムの最後に確認された400億米ドルの投資は、女性・少女の権利実現に向けたリソース提供の上でおおきな進歩を表しています。資金不足が1995年北京会議の一里塚である女性の権利実現に道筋をつけ、ジェンダー平等を前進させることを阻んできたと広く理解されているからです。フォーラム閉会までに、政府・公的セクターがジェンダー平等への投資を210億米ドルにするとコミットし、民間部門が130億米ドル、慈善団体45億米ドルの投資を約束しました。国連機関、国際及び地域機関は総計13億米ドルを約束しました。これらの大胆な投資に加え、440の市民社会団体や94の若者主導団体を含む沢山の団体が政策やプログラムに強いコミットメントを表明しました。フォーラムの主催団体は、現在確認されている1000のコミットメントメーカーが今後5年間に、さらに増えるであろうと予測しています。
オープニングセレモニーで公開された重要なコミットメントに加え、その後の2日間で様々なセクターから、幅広いコミットメントが出されました。以下はその一部です。
- ブルキナファソ政府は、ベニン共和国、ギニア、マリ、ニジェール、トーゴとともに以下のコミットメントを提出しました:家族生活教育、妊婦と5歳以下の子どもへの無料ケア、FGM, 児童婚を含むジェンダーに基づく暴力撤廃のための法的・社会的変革の追及
- アメリカ合衆国政府は、様々な重要政策や投資要請のコミットメントを発表しました。これには女性への暴力撤廃プログラム支援に10億米ドル、世界中のジェンダーに基づく暴力を予防、対応するために1億7500万米ドルが含まれます。
- メキシコ政府とUN Womenによって立ち上げられたグローバル・ケア・アライアンスの拡大。これには39カ国が参加しています。例えば、カナダ政府は世界のケア経済の不平等に取り組むために1億米ドルをコミット。
- マララ基金は少女教育アクティビストに提供するため少なくとも2千万米ドルをコミット。
- P&Gは、バリューチェーンを通して女性の経済的正義や権利を前進させるため、女性が経営・主導するビジネスに2025年までに100億米ドルをコミット
- バングラデシュ政府は、技術系スタートアップ及びe-コマースセクタ―を含むICTセクターに、女性の参入を2026年までに25%、2041年までに50%増やすことを約束。
- PayPalは女性の経済的エンパワーメントを向上させるために1億米ドルをコミット。
- レイズ・ユア・ボイス・セントルシアは、カリブ海NGOと連携して、LGBTQI+の認知や差別や迫害を減らすための法改正を求めることをコミット
- オープン・ソサイェティー財団はフェミニストの政治的運動・リーダーシップに5年間にわたって少なくとも1億米ドルを提供することをコミット
6月30日―7月2日まで開催されたパリのフォーラムには、主にオンラインで5万人が参加し、ジェンダー平等を促進させるためのアクションを編み出すことを目指しました。フォーラムでは6つの行動連盟がデザインしたジェンダー平等を前進させるためのグローバル促進計画が立ち上がりました。行動連合とは、ジェンダーに基づく暴力、テクノロジーから経済的正義や気候正義に至るまで、ジェンダー平等を達成するために必要なアクションを掲げる多様なステークホルダーから成るパートナーシップです。フォーラムはまた女性・平和・安全保障と人道行動のためのコンパクト(Compact for Women, Peace and Security and Humanitarian Action)も立ち上げ、保健・スポーツ・文化・教育に焦点を合わせた新しいジェンダー平等イニシャティブを発表しました。
フォーラムを振り返り、児童婚撤廃アフリカ連合親善大使のニャラザヴィ・グンボンザンダ氏は次のように述べています。「今週私は、北京会議でまだ若い女性権利アクティビストだった1995年を生き直している気がしました。現在、COVID-19や他の障壁が、かえって革新、連帯、そして誰も排除しないことへの良いインスピレーションを新たに生み出しています。今週公表されたコミットメントに感謝いたします。今こそ少女、若い女性に投資するまたとないチャンスです。リソースを地方の辺境にあるコミュニティーに届け、テクノロジーをすべての人が使えるようにし、加盟国が女性・少女の人権にもっと説明責任を果たすようにすることです」
(抄訳 本田敏江 理事)
オープニングセッションのYouTubeはこちらからご覧になれます。
カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会