チャド湖地域における紛争・気候リスクに対する女性のレジリエンス向上のための協力
2021年8月5日
UN Women は、日本政府の支援を受け、アフリカのチャド湖地域において紛争や気候変動により影響を受けている女性たちのレジリエンスを高めるための協力を、2020年4月から実施してきました[1]。チャド湖周辺は、 ボコ・ハラムなどのイスラム過激派組織が活動している地域で、女子生徒が数百人も誘拐されました。また、この地域には児童婚や強制婚、女性器切除などの問題があります。さらに、気候変動などの影響で干ばつが続き、チャド湖の面積は年々、減少し続けています。そのため、チャド湖周辺で生活をしてきた住民の生活が脅かされ、特に女性や子どもに大きな影響が出ています。
昨年からのコロナ禍の影響で、現地でのプロジェクト活動はなかなか予定通りに進みませんが、プロジェクト開始から1年以上が経過し、色々な活動報告が出てきました。プロジェクトは、チャド湖周辺のナイジェリア東北部とカメルーン北部を対象に、困窮している女性たちの経済的エンパワーメントを目指すと同時に、ジェンダーに基づく暴力の撤廃、防災の取り組み強化、女性のリーダーシップや意思決定過程への参画の強化を目指しています。
これまでに、約5000人以上の女性と約700人の男性を対象に、地域の女性団体のネットワークを通じて、緊急支援生活キットの配布、気候変動への適応のための研修、農業・畜産などの技術研修、女性の土地の所有権についての啓発、ジェンダーに基づく暴力に対する研修や啓発活動などが実施されてきました。プロジェクト期間は2年間ですが、今後、ジェンダー変革につながる大きな成果が期待されています。なお、このプロジェクトは、UN Womenジュネーブ事務所の防災・災害レジリエンスチームが担当しています。
ジェンダーに基づく暴力に対する研修(ナイジェリア)(写真:UN Women提供)
[1] 英語のプロジェクト名は、Strengthening Resilience of Women and Girls affected by Conflicts, Violenct Extremism and Climate Change in Lake Chad Region.
地域の女性組織がおこなった啓発活動や研修によって、地方政府の議長、及び17人の女性がはじめて地域評議会のメンバーに選出されました(ナイジェリア・ヨベ州)(写真:UN Women提供)
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