女性達は団結して活動しています、そのおかげで私も頑張れているのです...でも今、私たちは恐怖の中で生きています

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2021年12月9日

2021年11月29

ムルサル・サマディさんは、8月15日にタリバンがカブールを占領した時、検察官、独立捜査官、市民社会代表として16年間も仕事を続けてきました。彼女は今でもアフガニスタンにとどまり、アフガニスタン女性・少女の権利を守るための啓発活動を続けています。

Mursal Samadi. クレジット: Poompat Watanasirikul

私は、女性省大臣とよく会っていました。大臣はどうすればアフガニスタンの女性・少女の役にたてるかを討議する会議に市民社会リーダーを招集していたからです。私たちの団体と私は、家庭内暴力の被害を受けた女性・少女へ優れたサービスを提供したことで地域の知事から表彰されました。女性達は団結して活動しており、それで私も活動を続けていられるのです。

でも現在、私たちの状況は大きく変わりました。日が過ぎていくのがなんと遅いことか。最後に忙しかったのはいつか思い出すことさえできません。現在私は週2回、しかも午前中だけしか仕事に行けません。通勤するときは甥がノートパソコンを運んでくれます。仕事に行くことを周りの人に知られたくないからです。以前は女性を支援するため、車で地方まで出かけることだってできたのです。今は、クライエントから電話を受けても何もすることが出来ません。

家庭内暴力を逃れた女性達には、救命サービスへのアクセスを確保しなくてはなりません。被告側弁護士としては、社会規範が法律より優先されるケースをいくつも見てきました。つまり不倫はいつも女性が悪く、男性が罰せられることはほとんどありません。女性に対する暴力撤廃のための法律は決して完ぺきではありませんでしたが、それでも女性・少女の権利を守ることを保証し、司法制度に関わる私たちが加害者にその行為によって罰せられることを知らしめることが出来ました。でもこの法律も今は無くなってしまったのです。このような法的枠組みが無くなった空白は、適正手続き無しの死刑などで埋められることになるでしょう。女性判事は男性にとって代わられるでしょう。そして彼らは女性に非を負わせる社会的規範を強化することになるでしょう。

今まで男性は暴力を振るうことを慎んできました。なぜならメディアが報道するし、司法が彼らを罰し、女性省も暴力を予防するために積極的な措置を取ってきたからです。でもこのどれも姿を消してしまいした。DV(ドメスティックバイオレンス)は倍増するでしょう。女性達はもう誰も信頼できなくなっています。この国の将来を考える時、複雑な感情を抱かざるを得ません。女性は働く権利を奪われ続け、平和裏に行われている女性のデモが暴力で抑圧され続けるのではないかと心配になります。私たちの国が必要としているのは、だれも排除しない包括的な政府です。

アフガニスタン女性として、国際社会はこれからもアフガニスタン女性・少女の権利を支持し、守り、保護してほしいと切に願います。私たちは今まで自分たちの課題について公の場で話すことが出来ました。皆で集まって色々な課題をどのように解決するか話し合うこともできたのです。でも今、私たちは恐怖の中に生きています。昔のように助け合うことだってできないのです。


UN Womenは10年以上アフガニスタンで活動しており、今も現地にとどまりアフガニスタン女性を支援しています。UN Womenは現地で女性・少女が命を守るために不可欠なサービスを利用できるよう全力を傾けています。またアフガニスタンの女性リーダーが、国連安全保障理事会などの国際フォーラムでのディスカッションに加わりやすくし、女性も参加した包括的進歩・平和が実現できるよう支援しています。

*記事に書かれた人権擁護アフガニスタン女性の安全を守るため名前、場所、事の成り行きなどは変えてあります。

カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会

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