プレスリリース:UN Women、ジェンダー平等促進に向けて、おとぎ話再考プログラム「Awake Not Sleeping(さあ目を覚まして)」を開始

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2022年3月13日

2021/11/18

写真提供:UN Women/アスヤ・ファツマ・バギ、ナターサ・コニェヴィッチ

UN Women欧州・中央アジア地域事務所は、新しい創作文芸プログラムAwake Not Sleepingさあ目を覚まして):おとぎ話再考して次世代にを開始しました。これは、28のおとぎ話を再考して書き直すことで、女性や少女の役割や、人間の持つ可能性と権利についての社会の見方を変えることを目指すものです。ヨーロッパ、西バルカン半島、中央アジアから参加した31人の作家が、8歳から12歳の子どもたちを対象におとぎ話を創作しました。

このプログラムの立ち上げイベントには、フェミニストの作家、著名人、舞台人、市民社会の代表者、子どもたちなどが集まり、ジェンダーの固定観念に立ち向かい、ジェンダー平等を全ての人に実現するために求められるおとぎ話の役割について話し合いました。イベントは、トルコのイスタンブールにあるMEFインターナショナルスクールで対面とオンラインのハイブリッド形式で開催され、UN Womenヨーロッパと中央アジアのFacebookチャンネルで英語ロシア語でライブ配信されました。

「UN Womenは、女性と少女、男性と少年の心の中、そして家庭や地域においてジェンダー平等を推進するために地域全体で行動を起こしています」と、UN Women欧州・中央アジア地域事務所のアリア・エル・ヤシル所長は述べました。そして、「私たちは物語の持つ力を信じています。Awake Not Sleepingが、子どもたちや若者、家庭や地域の人々がジェンダー不平等について話し合い、行動を起こすきっかけになることを願っています」と付け加えました。

「物語が変われば、世界も変わります」とMEFインターナショナルスクールのエルバン・トンガル副部長は、歓迎の辞で述べました。

物語には規範を壊し、固定観念に立ち向かい、ポジティブな変化を促す変革力があります。おとぎ話の多くは、もともとは女性によって女性のために書かれたもので、その時代の制限されたジェンダーの役割や期待、法律などに立ち向かう人物が主人公でした。しかし、これらの物語は有害な社会規範を強化するために、時の権力者によって書き直されました。 

Awake Not Sleepingコレクションにおとぎ話を提供した作家たちが、MEFインターナショナルスクールの子どもたちとおとぎ話について語り合いました。写真:UN Women/ゴーカン・オズフィリンチ

「子どもの頃、我が家には民話やおとぎ話の本が6冊ありました。どのお話もとても印象的で、もし自分がその物語の登場人物の一人だったらどうするだろうと考えながら、何度も何度も繰り返し読みました」と「The Child Without Golden Hair(金色の髪を持たない子ども)」の著者で北マケドニア出身の作家カリーナ・マレスカさんは熱く語りました。

「物語とその意識的な分析には、連帯、ジェンダー平等、他者の視点の理解と評価を促進する可能性があります」と、「The Sleeping Castle(眠れる城)」の著者でウクライナ出身の作家タニア・カシアンさんは付け加えました。「おとぎ話は私たちの生活の中で大きな役割を果たしていると思います。おとぎ話は、人々や状況に対する私たちの固定観念や態度を変えるパターンを作り出します。私は全ての少女と少年に、自分の境界線は自分で守るべきだということを知ってほしいのです」。

UN Womenは、Awake Not Sleepingを支援するために世界中から著名人を招きました。その一人、トルコの女優オズゲ・オーズプリッチさんは、おとぎ話の「「Snow(雪)」をステージで朗読しました。ロシアのタジク人シンガーソングライターで、ユーロビジョン・コンテストのファイナリストであり、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のロシア親善大使でもあるマニジャ・サンギンさんはオンラインでイベントに参加し、おとぎ話の抜粋を朗読しました。

Awake Not Sleepingで再考された物語は、ジェンダー平等を達成し、お互いを尊重しあえる素晴らしい世界を創りだすことができるおとぎ話の可能性について、皆さんの好奇心を呼び覚ますことでしょう」と、難民が直面するドメスティックバイオレンスの問題と闘うシルシラ財団の共同創設者でもあるサンギンさんは述べました。

「現代においては、ジェンダー平等を最前線に打ち出すべきです。再考されたおとぎ話を読んで、世界を女性と少女にとってより良い場所にする力を貸してください」とトルコの俳優兼プロデューサーのケレム・ビュルシンさんはビデオメッセージで訴えました。

イベント期間中、作家たちは、コレクションにあるおとぎ話を読んだ感想や印象について、MEFインターナショナルスクールから選抜された子どもたちとステージ上で公開討論を行いました。

「去年の夏、おとぎ話で窮地を救うのはいつも男の子なのはなぜだろうと思ったので、気性の荒いお姫様を主人公にした物語を書いてみました。女の子が勇敢で男の子ももっと色々なタイプがあるというような本もあっても良いと思います」と、生徒のマリア・フォルケソンさん(9歳)は言いました。

Awake Not Sleepingコレクションからおとぎ話を朗読するトルコの女優オズゲ・オーズプリッチさん。UN Women/ゴーカン・オズフィリンチ

クヴァンツ・ドーガンさん(8歳)はこう言います。「クラスメートが国連の持続可能な開発目標(SDGs)のジェンダー平等の目標についてポスターを作って、少年と少女はまったく同じではないかもしれないけれど平等に扱われるべきだと説明したのを覚えています。それを聞いて、マララ・ユスフザイさんはヒーローであると同時に少女でもあるということを考えました。世界の物語には、もっとヒーローの少女が必要です」

Awake Not Sleepingの立ち上げイベントには、世界中から主にオンライン方式で4,600人を超える人が参加し、ジェンダー正義を迅速に進めるための新しい創造的対話を支援しました。皆さんも、物語が ジェンダー平等の達成に果たす役割を話し合う会話に積極的に参加して、#AwakeNotSleepingや#GenerationEqualityなどのタグをつけてSNSでおとぎ話をシェアしましょう。

タグについて:ツイッターでは@unwomeneca、フェイスブックでは@unwomeneuropecentralasia、インスタグラムでは@unwomenecaをお使いください。

このプログラムは、UN Women欧州・中央アジア地域事務所が、スイス開発協力局(SDC)の資金援助を受け、平等を目指す全ての世代のためのキャンペーンの一環として実施しているものです。

詳細については下記までお問い合わせください。Meriza Emilbekova、国際コミュニケーション・アドボカシーコンサルタント:[クリックして中身を見る]

(翻訳者:松本香代子)

カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会

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