ウクライナに関するシマ・バフースUN Women事務局長の声明、3月30日

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2022年4月8日

ウクライナにおける戦争が女性と少女に打撃を与え続ける中、UN Women(国連女性機関)は、国連事務総長の平和への緊急呼びかけを改めて表明する。戦争は今、直ちに止めるべきだ。

戦争が始まって以来、1000万人以上の人々が安全と安心を求めて家を追われている。UN Womenは、すでに400万人以上を受け入れているウクライナの近隣諸国を称賛する。

ウクライナから避難を余儀なくされた人々の約90%を女性と少女が占めており、人身売買、性的暴力、ジェンダーに基づく暴力、必要不可欠なサービスや物品へのアクセスができないなど、ジェンダー特有のリスクにさらされている。これらのリスクのいくつかは、すでに現実のものとなっているという報告が来ている。このような状況から、女性と少女の固有の権利とニーズが優先されるよう、ジェンダー視点に立った緊急の対応が求められている。

ウクライナ国内および近隣諸国の女性団体は、これらのニーズを満たすために独自に対応している。これらの組織の大半は、ウクライナの女性と少女に対する支援にコミットしているが、自らの命の危険性も日々高くなっている。

女性団体は、食料と避難所、法的支援、精神衛生支援、避難中や移動中の人々への支援を提供している。これらの組織を支援することは優先事項でなければならない。この作業と人道援助機関の活動のために、安全な人道的回廊を確保することが不可欠である。私たちは、人道的停戦を求める国連事務総長の呼びかけに同調する。

女性団体は、ウクライナにおけるUN Womenの今回の対応の中心になっている。私たちは、UN Womenが事務局を務める国連女性・平和・人道基金を通じた追加資金とともに、女性団体に直ちに資金を配分し、さらに多くの資金を拠出している。

私たちは、女性の優先的ニーズ、特に安全が確実に確保されるように努力している。避難所へのアクセス、食品、医薬品、衛生用品、宿泊施設、水、電力や接続性へのアクセスなどの必需品、そして、仕事、収入を得る能力を含む生計手段へのアクセス支援をしている。

私たちは、戦争におけるジェンダー・ダイナミクスとその影響に関する最新のデータと分析を、女性や少女のための活動に取り組んでいるすべての人々が利用できるように、迅速なジェンダー評価を実施している。また、人権理事会が設置した国連調査委員会に専門家を派遣している。私たちの専門家は、戦争の文脈における女性と少女に対する性的暴力、虐待、搾取を調査するためのスキルと経験を持っている。私たちがこの活動に投資するのは、性的暴力やジェンダーに基づく暴力を防ぐためには、これらの犯罪を調査し、女性と少女の権利の根本的な侵害に対して加害者の責任を問うことが不可欠であることを私たちの経験が示しているからである。

UN Womenは、国連ファミリー内外のパートナーとともに、私たちのエネルギー、専門知識、資源を全力で提供する決意を固めている。私たちは、ウクライナにおける戦争に対するグローバルな対応に、女性の権利、利益、声及びリーダーシップが、完全に組み込まれるため、国際政治の領域における私たちの発言力を使う。 UN Womenは、世界中のすべての女性と少女が戦争の被害から守られるよう、私たちの役割を果たすことにコミットしており、あらゆる機会を活用して女性と少女のレジリエンスとリーダーシップを支援する。

カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会

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