インドの農村で取り入れられている女性に対する暴力を終わらせるための包括的なアプローチ

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2022年9月7日

2022 年 6 月 8 日

インドのアッサム州の農村コミュニティの女性・男性は、UN Womenの支援を得て、近隣の女性、若者、子どもに対する暴力を協力して防止するための新しい方法を見つけました。

「私は夫に、私は変わったのよ、もうあなたが虐待し、服従させてきた女性ではないの、と伝えています。彼は今では、家で私を助けてくれています」と誇らしげに語るキアラ・デヴィ*は、インド北東部のアッサムにある茶摘み農園の茶摘み職人で、地元のJugnuクラブのメンバーでもあります。

アッサム茶摘み農園の労働力の半分を女性が占めており、その多くは家庭、職場、公共の場で暴力を経験しています。写真:UN Women/Biju Boro

Jugnu クラブは、UN Womenの支援を受けてアッサム州の茶摘み農園で結成され、女性に対する暴力に声を上げ、女性と少女の安全と平等のための行動を起こす女性のエンパワーメントグループです。同クラブは、この地域の女性・少女に対するセクシュアルハラスメントやその他の形態の暴力を防止するための包括的なアプローチの一環として2017年1月に結成されました。これは、UN Womenがアッサム州の農村部で実施した初の女性に対する暴力防止プログラムです。

「(クラブ例会で)私たちは少女や母親に、地域社会で誰かが嫌がらせを受けているのを見た時には黙って見逃さず、私たちのところに来るように促しています」とデヴィは言います。「私たちは今、DVや男女間の差別を受け入れてはいけないことが分かっており、対処する方法についても理解しています」。

安全で協力的な職場づくり

アッサム州の600万人が、州内の765の茶摘み農園と10万の小さな農園で雇用されていると推定され、インドのお茶の半分以上と世界のお茶の13%を生産しています。アッサムの茶摘み農園では女性が労働力の半分を占めており、そのほとんどは茶摘み職人として働いています。そしてその多くは職場、公共の場で暴力を経験しています。2015年、アッサム州では、夫や親戚による女性に対する残虐行為が11,225件報告され、男性によるアルコール乱用が暴力に大きな影響を及ぼしていることが報告されています(「インドの犯罪2015:概要)。

何百人もの茶摘み農園経営者、福祉担当官、労働者、Jugnuクラブのメンバーは、インドの職場での女性に対するセクシュアルハラスメント法、女性の権利、DVや児童労働に関する法的義務のトレーニングを受けました。これは、アッサム州ウダルグリ地区で開発されたUN Womenの予防プログラムの一環として行われたものです。トレーニングセッションでは、地元の民謡や方言、スキット、その他のユーザーフレンドリーな教材が使われました。研修参加者のうち、95%が研修前には法律とその規定を知らなかったと述べていますが、研修後は参加者の80%が、トレーニングによって同法に対する理解が向上したと回答しました。

このプログラムのJugnu クラブ参加者は、自分の権利を認識するようになり、自分のニーズについて前より声を上げられるようになっています。このプログラムでは女性がスペースを安全であるか、ないかを見分ける安全監査が実験的に行われています。このプロセスを通じて、女性は暗い公共エリアへの街灯の設置、職場への安全な輸送を要求しました。後者には、近くの村から農園に女性を輸送する2台のバスが含まれています。これらの措置は、経営陣と女性労働者の関係を強化するのにも役立っています。

安全監査研究に参加しているアッサム茶摘み農園の女性達 写真:UN Women/Biju Boro

啓発とコミュニティー教育

このプログラムは、女性、若者、子供に対する暴力を防止し、対応する方法を、茶摘み農園の環境を超えて、学校を含むより広い農村コミュニティに啓発しました。参加型の演劇ショー、ダンス、音楽など、コミュニティ主導の舞台芸術や工芸品を使用したジェンダー平等に関する大規模なキャンペーンは、6,000人以上のコミュニティメンバーに届き、371人の子供たちが暴力防止に焦点を当てた早期介入プログラムに参加しました。

2020年にCOVID-19のパンデミックが襲い、キャンペーン活動を直接行うことができなかった時、オンラインFacebookキャンペーンが開始され、30万人近くが参加できました。

「UN Womenが茶摘み農園で実施した活動を見て、より多くの家族が娘にコンピュータトレーニングクラスへの入学を許可しているのを見てきました。私の妹もコンピューター教室に通っています」と、茶摘み農園の1つに住み、参加型演劇ショーに俳優として参加した20歳のモハメド・モンダル*は言っています。

「以前は、家族は娘の入学を許可していませんでした。女の子は17歳か18歳になったとたんに結婚させられてしまうのです。両親は妹に18歳で結婚してほしいと願っています。でも女の子だって夢と希望を持つことができるのです。私は家族に、妹は教育を終えてから結婚するべきだと主張しました」とモンダルは言います。

アッサム茶摘み農園に住む371人の子どもたちが、暴力防止に重点を置いた早期介入プログラムに参加しました。写真:UN Women/Devdan

長期的な法的支援

2020年6月、UN Womenの技術支援を受けて、法律相談センターがウダルグリ地区に開設されました。アッサム州の茶摘み農園にできた初めての法律相談センターです。この包括的なサービスセンターでは、女性への法律相談や幅広い問題に関する情報を提供しています。あるお茶会社は、6つの茶摘み農園で行われているセンターのサービスにアクセスできるように移動式バンを提供しました。このモデルの一環として、UN Womenは、この地域の67人の弁護士に、職場におけるDVとセクシュアルハラスメントに関する法律について研修を行い、コミュニティの女性に法的サービスを提供できるようにしました。

「UN Womenとの連携は良い結果をもたらしており、このようなパートナーシップはより大きな規模で実施される必要があります」と、茶摘み農園で働く福祉担当官のラメシュ・パテル*は要求しています。「UN Womenとのこのような連携が制度レベルで実施されたのは初めてのことです。信頼できる外部団体が労働者と関わると、人々が注目するのでより効果的です」

※個人のアイデンティ守るため、名前や個人情報は変更してあります。

インドのアッサム州での女性に対する暴力防止プログラムの一環であるUN Womenによる支援は、15,000人に届きました。ドイツ開発庁(GIZ)との新たなパートナーシップにより、インドのCOVID-19の状況に左右はされますが、持続可能な開発目標(SDGs)の「誰も置き去りにしない」原則に沿って、アッサム州の農村部の女性の健康、安全、福祉に焦点を当てたさらなる支援が可能になりました。

A comprehensive approach to ending violence against women in rural spaces in India | UN Women – Headquarters

キャンペーンはこちらから→https://www.unwomen-nc.jp/202208_campaign/

カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会

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