国連の定める女性への暴力撤廃デーに向けて、 一緒に考えてみませんか?

記事をシェアする

2022年11月18日

UN Women が主導している国連事務総長の「UNiTE to End Violence against Women( 団結しよう。女性への暴力を終わらせるために)」の一環として、毎年1125日(女性に対する暴力撤廃の国際デー)から1210日(人権デー)までの16日間、世界各地で女性や女児に対する暴力のない明るい未来を象徴するオレンジ色に染める呼びかけを行っています。そして誰でもが知っている遺跡や建造物がオレンジ色に染められ、女性たちがマーチを行います。

UN Women提供(Flickr)
UN Women提供(Flickr)

今年の暴力撤廃週間のテーマ

「世界をオレンジ色に:団結しよう!女性と少女に対する暴力撤廃へ向けた行動のために」
 “UNITE! Activism to end violence against women and girls!” 

国連事務総長、加盟国、市民団体をはじめとする様々なアクターが様々なアクションをとってきました。しかしながらこのような努力、その成果にもかかわらず、女性に対する暴力は今に至るまで、留まるところを知らずに広がり続けている人権侵害です。

UN Women提供(2019年女性デー)

3人のうち1人の女性が暴力を受けた経験があるという数字はここ10年ほどほとんど変わっていません。最近の統計によると、11分に1人の女性が家族の誰かによって殺されています。COVID-19パンデミックは暴力をさらに増大させ、構造的な不公平を白日の下にさらし、何十年もかけて達成してきた女性の労働市場参加も後退させてしまいました。極度の貧困に苦しむ女性の数も増え、無償の家事労働の重荷も増えました。これらすべてが女性に対する暴力を誘発するリスク要素です。

今年の暴力撤廃デーにあたっては、COVID-19パンデミックに焦点を当て、
その中での女性に対する暴力を数字で見てみましょう

UN Womenが名付けた、COVID-19下の暴力による「影のパンデミック」は、経済にも負の影響を与えています。女性に対する暴力のコストは1.5兆ドルと言われてきましたが、パンデミックが長引いて暴力が続けば、この数字はさらに増え、パンデミック後にも尾を引くことになることでしょう。


* 3人のうち一人の女性が一生のうちに暴力の被害にあうと言われてきましたが、パンデミックにより女性に対する暴力は格段に増えました。ある報告によれば、2人の女性のうち一人が暴力を経験するということです。
* 失業、食料不足、家族関係などがストレスとなって暴力を誘発し、女性たちを苦しめています。


* 10人のうち7人の女性が、パンデミック以来ドメスティック・バイオレンスが増えたと感じています。
* 家庭が、女性達にとって安全な場所と感じられなくなっているのです。
* 何故なら、家族間の対立、けんかが増え、自分が脅されるだけでなく、家族の誰かが暴力を受けているのを目にするからです。 

* 5人に3人の女性が、パンデミック以来、公共の場でのセクシャルハラスメントが増えたと感じています。
* 女性への暴力が、パンデミック下での女性の行動を阻んでいるのです。
* 職場へ行くのも、生活に必要なサービスを受けに行くのも、遊びに行くのも暴力への恐れから制限せざるを得なくなっています。
* これは女性の健康、福祉に大きなダメージを与えます。

* ドメスティック・バイオレンスを受けた場合、10人に一人の女性しか警察に通報しません。
* 暴力が家庭内で起こった場合、多くの女性は警察など外部機関に訴えるより、家族の中で解決しようとするからです。
* ただ公共の場でセクシャルハラスメントを受けた場合は、警察に通報する女性は増えてきました。 

🔹 UN Womenは女性に対する暴力にどのように取り組んでいるのでしょうか

イラスト:Taylor McManus

* 女性が暴力を受けないで生きる権利は、女子差別撤廃条約や1993年に国連総会が採択した「女性に対するあらゆる形態の暴力の撤廃に関する宣言」などの国際的に合意された枠組みによって保証されています。UN Womenの大切な役割は、国連機関として国連加盟国がジェンダー平等の達成をめざせるような国際基準を策定することを支援することで、そのために様々なプログラム活動を展開しています。

 * 暴力を受けた後、何らかの助けを求めた女性は40%に過ぎません。UN Womenは、暴力の被害者、とくに複数の形態の差別を受けている女性が安全を確保し、保護を受け、再出発するために欠かせないサービスを受けられるよう支援しています。

* UN Womenは政府、国連機関、市民社会団体とパートナーシップを結び、女性・少女に対する暴力をどのようにしたら防げるか、その方策を模索し、その実現を目指しています。焦点を置いているのは早期教育、互いを尊重する関係の構築、男性・少年の参加などです。さらに暴力をなくすには、予防することがなんといっても費用対効果も高く、長続きする方法であることも分かっています。

* 暴力に対応するための包括的アプローチの一環として、UN Womenはパートナーと協力して、データの収集・分析に力を入れ、女性・少女に対する暴力の性質、程度、頻度、結果をよりよく理解しようと努めています。これにより、暴力対応の中で、どの方法がうまくいって、どれがうまくいかなかったのかなども分かるようになってきました。

* UN Womenは、10年以上「安全都市と安全な公共スペース」プログラムを世界中で展開し、公共の場での女性・少女に対する性的ハラスメント防止に取り組んできました。2017年からは、EUと国連が立ち上げたスポットライトイニシアティブのメンバーにもなっています。これは5億ユーロをかけた大きなプログラムで、アフリカ、アジア、カリビアン、南米、太平洋地域での暴力撤廃を目指しています。

UN Womenは女性に対する暴力撤廃をフラグシッププログラムとして世界中、特に途上国で上記のような活動を行っています。またUN Womenが運営を任されている国連女性に対する暴力撤廃信託基金は、現地の女性団体やNGOの活動に対し助成金を提供するなどの方法で女性への支援を行っています。

このような活動を継続して行っていくには安定した資金が必要です。女性・少女への暴力をなくすために、ぜひUN Womenにお力をお貸しください。

ご賛同いただける方は、ピンクのボタン「寄付をする」をクリックして寄付にお進みください。「団体へのメッセージ」欄には「暴力撤廃キャンペーン」とお書きください。

☆このキャンペーンはクラウドファンディングでも行っております。

https://readyfor.jp/projects/109198

カテゴリ: ニュース , 寄付・キャンペーン

寄付する