トルコの地震による女性のトラウマを癒すため、市民社会が介入
2023年3月6日
2023年2月27日
2月6日にトルコとシリアを襲った地震の後、UN Womenトルコの市民社会パートナーである女性センター財団(KAMER)は、サバイバーを支援するためにたゆまぬ努力を続けています。KAMERは、当初から女性、少女、およびその家族のニーズを特定し、それを満たすための支援をしてきました。KAMERは、ディヤルバクルで緊急のニーズに応える一方で、家や愛する人を失い、災害の深刻な精神的後遺症に苦しんでいる女性や少女に心理的サポートを提供しています。
2023年2月6日、トルコの11の州で連続して2つの地震が発生し、43,000人以上が死亡し、多くの人々が負傷しました。さらに数十万人が家や愛する人を失っています。このような災害のサバイバーを支援するため、市民社会組織、ボランティア、公的機関、特にすでにこの地域で活動している団体は、すぐに被災都市で支援活動を開始しました。
2005年に地震に見舞われたディヤルバクル州で設立された女性センター財団(KAMER)は、ここ数週間、精力的に活動してきました。KAMERは、広範なネットワークとトルコ南東部の21の支部を通じて、地震地帯で困難に直面している何千人もの人々に迅速に手を差し伸べることができました。
KAMERのネバハット・アッコチ会長は、生理用ナプキン、下着、おむつ、その他の女性と少女のための必需品を含む援助パッケージを毎日配布していると言います。「社会規範により、この地域の女性は、ナプキンや下着などの衛生用品を求めるのが恥ずかしいと考えます。私たちは女性の組織であるため、多くの女性や少女がそのようなニーズを恥ずかしがらずに伝えられるのです。また、公的機関にも女性達が私たちに要求してくるニーズや要望について知らせています。私たちは被災現場で、女性団体として、すべての女性と少女の権利を守るため活動しています」とアッコチ会長は言います。
UN Womenの支援により、KAMERは過去14か月間「We Are Here, Too(私たちもここにいます)」プロジェクトを実施してきました。アッコチ会長は、この資金を、悲しみと絶望、そして地震によって引き起こされたトラウマに苦しんでいる女性への支援に振り向けたと言います。
「この地域には心理的サポートがとても緊急に必要です」とアッコチ会長は説明します。「女性と少女の多くは愛する人や家を失いました。突然、彼らの生活は劇的に変ってしまったのです。私たちの支援が、女性がトラウマから回復するのに役立つことを願っています。しかし、これだけでは足りず、もっと多くのことが必要です。」
KAMERは、多言語およびオンラインの心理コンサルタントネットワークを通じて、教育権の剥奪、低所得、機会均等の欠如、言語の壁によるコミュニケーションの問題などによって、すでに多面的な貧困に苦しんできた地震の被災女性に心理的支援を提供しています。
「自然災害は、個人に身体的、社会的、感情的、精神的悪影響を与える可能性があります。心理的サポートは、トラウマと闘っている地震のサバイバーにとって非常に重要です。しかし、治癒のプロセスは長期的です」と、心理学者兼心理療法士のセビル・ブレマーさんは言っています。ブレマーさんは、10人の心理学者のチームとともに、KAMERの対応の一環として地震直後から女性を支援してきました。心理学者の監督も務めるブレマーさんは、「私たちは、地震のサバイバーでもある心理学者といっしょに心理的サポートを始めました。そしてその中でサバイバーの個別のニーズ、有用な心理的ツールと方法を見つけ出しました。」と述べています。
「地震の女性サバイバーは、既存の不平等のために日常的に男性とは異なる経験をしており、男性とは異なる影響を受けています」とブレマーさんは言います。「したがって、女性と少女の異なるニーズについて考察することは、効果的な地震対応と回復に不可欠です。」
この記事は、元々はUN Womenのヨーロッパおよび中央アジアの地域サイトに掲載されました
「We are Here, Too」プロジェクトは、欧州連合が資金提供するUN Womenの「ジェンダー平等のための安全な市民空間」プロジェクトの下で運営されています。
トルコとシリアの地震地帯でのUN Womenの取り組みを支援し、緊急に必要としている女性、少女、家族を支援するために、ご協力をよろしくお願いいたします。
https://www.unwomen-nc.jp/donation/#kifu
カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会