ウクライナのジェンダー政策担当委員、女性の経済的インクルージョンとエンパワーメントが平和構築と復興のための国家的優先事項であると明言
2023年9月7日
2023年6月22日
女性と社会から疎外された人たちは、ウクライナの復興に関する意思決定を進める上で重要な役割を果たします。これこそがより良い、より平等な国を取り戻すために必要なことです。これが、ウクライナ復興会議に先立って開催されたジェンダーに関するイベントに集ったウクライナ政府、女性権利団体、市民社会、民間企業の代表者が最も伝えたいことです。
ロシアによるウクライナへの全面侵攻で、女性と少女が過度に影響を受け、難民・国内避難民の大多数を占めています。連日攻撃が続く中、女性が住宅、社会サービス、食料、性と生殖の健康、雇用、その他のエッセンシャルサービスを手にすることが難しくなってきています。しかし同時に、女性と女性が主導する団体は、人道支援の提供、地域社会の支援、武力抵抗への参加、経済活動の維持などにおいて大きな役割を果たしています。
国際ウクライナ復興会議の前日にロンドンでスピーチを行ったウクライナのジェンダー政策担当委員のカテリーナ・レフチェンコ氏は、復興計画では女性と少女に特有のニーズに対応し、復興の計画立案と資金調達に女性が完全に参加できるようにすることが不可欠であると述べました。
「ジェンダー平等とインクルージョンは、ルガーノでのウクライナ復興会議で掲げられた復興のための主要原則の1つです。原則は、効果的に実行されてこそ良いものになります。したがって、いかなる国際的支援においてもジェンダーを主流化した手法を考慮し、女性のエンパワーメントを例外なくすべての開発パートナーのプロジェクトに含めるべきです。開発パートナーの皆さんに、ウクライナの復興にはジェンダーへの配慮が必要であり、私たちウクライナ人と同様に強くあってほしいと訴えたいと思います!」と彼女は言いました。
「活気がありインクルーシブなウクライナを再建するには、ウクライナ社会の形成に携わる核となる声として、女性と女性団体が参加しなくてはなりません。ウクライナが最も優秀な市民によって国の再建をするには、あらゆる会議、委員会、過程にウクライナの人々の中から女性をはじめとする多様な意見を取り入れることが必要です」と紛争下における性暴力防止担当首相特別代表兼国務大臣(中東・北アフリカ・南アジア・国連)であるウィンブルドンのアーメド卿は言いました。
「ウクライナにはすでにジェンダーに配慮した復興を確実に行うための多くの法律や政策があり、UN Womenは政府や市民社会の代表者を支援してそれらを実行するのを楽しみにしています。また同時に、国際的なパートナーの皆さんに、復興への資金援助について意思決定をする際に、ジェンダー平等のための資金調達の原則を適用するよう呼びかけます」とザビーネ・フレイザーUN Womenウクライナ代表は述べました。
欧州復興開発銀行(EBRD)のマーク・ボウマン政策・パートナーシップ担当副総裁は、「EBRDは、2023年末までにウクライナに30億ユーロの投資をするというコミットメントの実現に向けて、順調に歩みを進めています」と言いました。
「私たちは、ウクライナの人的資本の再建とジェンダーに配慮した復興の実現を中心とした支援を行っています。私たちのクライアントであるホライズン・キャピタル社とアスタルタ社は、民間企業がどのように女性起業家を支援し、退役軍人をはじめとする人たちを対象にウクライナでの農業労働への復帰を推進しているかなど、印象的な例を示してくれました」と付け加えました。
ウクライナ女性基金のナタリア・カルボウスカさんは、ウクライナの市民社会団体を代表して復興を真にジェンダーに配慮したものにするために必要なこととして、意思決定者たちの政治的意志、専門知識、分析、統計、そして戦略の策定だけでなく監視と実施において「重要な友人」として政府と協力する強い市民社会、意見を表明できる場、経済や雇用といった分野においてジェンダーへの配慮を最優先にすることを挙げました。
「復興を通じ、私たちは実行しながら学んでいます。ウクライナはもちろん、世界的に見ても、経験や知識はそれほどありません。ジェンダーに配慮した復興は、戦略だけでなく実践においても考慮すべきです。現実的になる必要があります。すべての分野で同時に性差別を撤廃することはできません。優先順位を決める必要があります。男女の格差が最も大きく、女性の参加によって最も恩恵を受ける分野であることがその基準です。経済と雇用は明らかにそれに該当します」と続けました。
ウクライナ復興会議のこのサイドイベントは、在ウクライナ英国大使館(BEK)が呼びかけ、欧州復興開発銀行 (EBRD)がUN Women、外務・英連邦・開発省(FCDO)の「ウクライナ市民社会組織支援 (SCSO)プログラム」、全米民主国際研究所 (NDI)、ウクライナ女性基金、女性ウクライナ議会、 ウクライナ政府を含むパートナーと共に主催しました。
(翻訳者:早乙女由紀)
カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会