なぜ女性団体への資金提供が女性に対する暴力を防ぐのでしょうか。

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2023年11月17日

2023年11月13日

写真:UN Women/Johis Alarcón

女性権利擁護団体は、ジェンダーに基づく暴力に取り組み、女性と少女にとってより公平で暴力のない世界に向かって前進していく上で不可欠です。

女性に対する暴力を終わらせるためにフェミニスト活動が果たせる重要な役割があるにもかかわらず、世界中で反人権運動が急増し、女性の人権擁護活動家に対する反発が起きています。

ここでは、女性と少女に対する暴力を撤廃するために、女性団体への資金提供が不可欠である4つの理由を紹介いたします。

被害者に救命サービスを提供

女性団体は、ジェンダーに基づく暴力のサバイバーや被害者にサービスを提供する上で重要な役割を果たしています。このような暴力は世界で最も蔓延している人権侵害で、少なくとも3人に1人の女性が犠牲になっています。

ジェンダーに基づく暴力のサバイバーに対する重要な支援サービスには、シェルター、カウンセリング、法的支援、ホットラインなどがあります。これらのサービスは、被害者に命綱を提供し、生活の再建を支援します。

国連の調査によると、暴力を経験した後に助けを求める女性はわずか40%であり、女性権利団体のアウトリーチ活動はさらに重要になっています。女性権利擁護団体は、女性や少女が暴力を経験したときに、自分の権利を主張し、助けを求めることができるよう支援しています。女性団体は、教育、訓練、コミュニティ活動を通じて、女性のレジリエンス(回復力)と自信を育み、暴力の連鎖を断ち切るための大切な鍵となります。

政策転換を推進

調査によると、国内及び世界の政策決定の場においては、強力で自発的なフェミニスト運動の存在が、女性と少女に対する暴力を撤廃するための最も重要な要因になっています

強力なフェミニスト運動を持つ国は、運動が弱い国よりも女性に対する暴力を撤廃するためのより包括的な政策を持つ傾向があります。これは、ひとえに非常に貧弱な資金しか持たないことの多い女性権利団体のたゆまぬ啓発活動のおかげだと言えます。

一方、女性運動の存在感が低い国では、ジェンダー平等や女性のエンパワーメントに対する偏見が強く、その分、権利団体が社会規範や力関係を変革する上で重要な仕事をしているということになります。女性団体は、女性と少女に対する暴力について調査を行い、データを収集し、さまざまな状況における暴力の形態とその蔓延に光を当てています。

このような研究は、政策立案者やサービスプロバイダーが効果的な戦略を策定し、ジェンダーに基づく暴力に取り組むためのリソースを割り当てるために不可欠です。

ジェンダーに基づく暴力を削減

女性権利擁護団体の活動が、ジェンダーに基づく暴力をどのように減少させるかについてのエビデンスが次第に明らかになっています。それにもかかわらず、慢性的な資金不足が続いており、女性権利団体への資金提供が切実に必要とされています。

地元の女性権利団体は、自分たちのコミュニティを誰よりもよく理解しており、世界中の女性、特に疎外されたり、人種差別されたり、より大きなリスクにさらされている女性への暴力を減らし、生活を変えるアプローチをとってきた実績を持っています。

例えば、ニカラグアでは、同国の女性運動が法律を改正し、サバイバーにサービスを提供し、ジェンダー規範を変革し、女性の人権に関する知識を高め、政府と多分野にわたって協調的な行動をとったりして、親密なパートナーからの暴力が63%減少したという研究結果が出ています。

南アフリカのIMAGEプロジェクトは、マイクロファイナンス・イニシアチブと「ジェンダーとコミュニティ動員トレーニング」を通じて、2年間で親密なパートナーからの暴力を50%削減しました。

エクアドルの世界食糧計画(WFP)による別の取り組みでは、貧困地域に住む家族の経済的エンパワーメントにより、貧困による夫婦のストレスを軽減し、6か月間でドメスティックバイオレンスを最大30%削減しました。

英国のWhat Works Networkによると、プロジェクトを適切に設計して実施すれば、親密なパートナーからの暴力を50%以上減らすことが可能です。

健康と人道上の緊急事態時に女性団体が果たす重要な役割

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは、政府がジェンダーに基づく暴力に取り組む上で、女性権利団体が果たす重要な役割を浮き彫りにしました。

国連開発計画(UNDP)とUN Womenの報告書によると、フェミニスト運動が活発な国は、そうでない国に比べて、パンデミック中に女性に対する暴力への対策を平均3回多く講じています。

紛争の影響を受けた女性と少女の数は50%増加し、世界中の何百万人もの女性と少女がジェンダーに基づく暴力に対してより脆弱になっています。

調査によると、紛争や緊急事態における対応に女性が積極的に参加し、女性権利団体や自主グループが人道的活動にかかわるとジェンダー平等に向けた前向きな一歩を達成できることが示されています。

女性団体へのさらなる資金提供が緊急に必要

女性や少女に対する暴力と闘う女性団体への資金提供が緊急に必要であることは、いくら強調してもし過ぎることはありません。

女性権利擁護団体は、より公平で暴力のない世界を目指す最前線でその役割を果たしています。

また、サバイバーの支援を含め、現地で活動する多くの女性権利団体は慢性的な資金不足に陥っており、女性に対する暴力の撲滅に充てられる政府開発援助(ODA)はわずか5%にとどまっています。

ジェンダー平等と暴力防止が依然として急務である世界では、政府と様々な機関は、女性団体の揺るぎない努力を認め、エンパワーし、投資しなければなりません。

女性権利擁護団体は、世界中の女性と少女にとってより安全で、より公平で、公正な社会を創造し、すべての人にとってより明るく、より有望な未来を築くことに尽力しています。

https://www.unwomen.org/en/news-stories/explainer/2023/11/why-funding-womens-organizations-prevents-violence-against-women

カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会

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