「女性性器切除(FGM)の根絶のための国際デー(2/6)」によせて
2024年1月18日
あなたのご支援がFGMに苦しむ女性と少女の苦しみを軽減します
FGMとは
2月6日は国連の定める「女性性器切除(FGM)の根絶のための国際デー」です。この日はいつも片隅に追いやられて忘れられがちなFGMの被害者女性に心を寄せる日です。
女性性器切除(Female Genital Mutilation、以下FGM)は、アフリカを中心に約2000年前から行われている慣習で、女性の外部生殖器の部分的または全体的な切除をするもので、通常、乳児期から15歳の間に行われます。FGMには4つのタイプがあり、最も危険なのは、4番目、女性器に対する有害な処置、例えば、性器部を刺す、穴をあける、切開する、削る、焼灼するなどのすべての処置が含まれます。現地では大人の女性になるための通過儀礼とされ、結婚の条件にもなっている地域もあります。 FGMによって何百万人の少女が無邪気な子ども時代、教育、健康、そして何より将来への希望を無残にも奪われているのです。
現在2億人の女性と少女が31カ国でFGMを施されていると言われています。さらに2021年には、416万人の少女にFGMを受けさせられるリスクがあり、この数字はCOVID-19パンデミックのせいで、さらに200万人上乗せされる可能性があります。東アフリカと南部アフリカでは、ジブチ、エリトリア、エチオピア、ケニア、ソマリア、タンザニア、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエなどの国々で蔓延しています。
FGMはその時だけでなく長期にわたって女性の健康に様々な影響を与えます。例えば、感染を引き起こしたり、異常な傷跡を残したり、疲労を伴う痛みを与えたり、死に至らしめたりすることもあるのです。このような悪影響があるにもかかわらず、未だにこの慣習は無くなっていません。
アマル・アフメドさんのストーリー
アマル・アフメドさんは、15歳、18歳、19歳の息子を持つ母親でカイロに住んでいます。彼女は10歳の時に、妹とともにFGMを受けるようにうまく誘導されてしまいました。「その時のことはすべて覚えています。麻酔なしに、施術が行われ、身体的だけでなく心理的にも深い傷を残しました。大声で叫んだのですが、だれも聞いてくれませんでした。私の人生はひっくり返り、再び普通の人生を送れなくなりました」「今3人の息子を持っていますが、女性を大事にするよう、有害な慣習には安易に従わないように教育しました。FGMの悪影響を知っている息子たちはFGMを受け入れていません。夫と母親が娘にFGMを施そうとした時、私は断固として断り、彼女の人生を壊さないでと主張しました」と彼女は述べています。アマルさんは世界中の人がFGMが与える身体的・心理的影響を理解して、この因習が無くなることを強く願っています。
UN Womenの取り組み
UN Womenは長年、この因習撲滅のために様々なプログラムを実施してきました。なぜ完全な撲滅が難しいかの理由の一つは、FGMがその土地の文化に根差していること、FGMの施術をすることで生計を立てている人たちが多いことなどがあげられます。以下は女性と少女に対するあらゆる形態の暴力を根絶するための欧州連合(EU)と国連の複数年にわたるグローバルなパートナーシップであるスポットライト・イニシアチブの下、UN Womenが支援して展開しているユニークな活動です。
西アフリカのFGM女性施術者に新しい生計の道を与える
リベリアとナイジェリアでは、伝統的なリーダーが社会規範を変革し、女性と少女に対する暴力を終わらせるために必要な重要な変化を推進する鍵を握っています。
「私たち(伝統的な施術者)は、少女たちに髪を編み、年配者の前で慎み深く振る舞う方法を教えていました」と、リベリア北東部のニンバ郡でFGMの元施術者でコミュニティリーダーのケマ・ダーンさんは説明しています。「でも、私たちはもうFGMを実践していません。なぜなら、FGMは必要ないと気づいたからです。今は農業とビジネスに力を入れています」
リベリアの15歳から49歳の少女と女性の50%が、多くの場合、本人の同意なしに、有害なFGMの施術を受けています。ダーンさんは、女性と少女に対する暴力をなくすためのEU・国連スポットライト・イニシアチブの一環として、UN Womenが2019年に立ち上げた代替生計プログラムの恩恵を受けた300人の伝統的実践者の1人です。
FGMは、文化的な理由だけでなく、経済的理由で行われることも多く、生計プログラムでは、FGM実践者に気候変動に対応した農業とビジネス管理のトレーニングを提供し、彼らが収入を得るための代替方法を提供しています。
「こうした伝統的なものから離れていくことを可能にするのは、起業する力です」とダーンさんは言います。「農業のことはよく知りませんでした。農業事業の開発と管理で学んだ新しいスキルは、別の収入源を得る絶好の機会を提供してくれました」
ヤッタ・ファーンブッレさんは、リベリア北西部のティエニで最大級のブッシュスクールのオーナーで、FGMを含む一連の儀式を通じて少女たちを成人へと導いてきました。彼女はその後、ブッシュスクールを閉鎖し、生計プログラムの一部である新しい職業訓練センターが同じ土地に建設されました。
「35年経った今、私が変わる時が来ました... 何年もやってきたこと以外で学び、定期的な収入を得る機会に満足しています」とファーンブッレさんは言います。「この新しいプロジェクトは、リベリア全土の伝統的な施術者にとって良い機会になると考えています」
社会規範の変化に不可欠な伝統的なリーダー
伝統的なリーダーは、ネガティブなジェンダー規範を永続させ、女性と少女の健康と安全を損なう有害な文化的慣習を根絶するために、コミュニティと協力できる絶好の立場にあります。西アフリカの伝統的な指導者たちと対立するのではなく、協力することは、女性と少女に対する暴力を終わらせ、女性のエンパワーメントを促進するために極めて重要です。
リベリアでは、ジェンダーに基づく暴力の撲滅に重点を置いた正式な法律の可決と強化が進んでいるにもかかわらず、その適用と実施は、伝統的およびコミュニティの指導者の法律に関する不十分な知識によって部分的に妨げられてきました。2020年には、生計プログラムに加えて、125人の伝統的な指導者(女性51人、男性74人)が、ドメスティックバイオレンス(DV)、相続、レイプに関するリベリアの法律について教育を受け、それぞれが女性に対する暴力を終わらせるための正式な法的枠組みの使用を全面的に支持することを約束する決議に署名しました。
2021年6月、近隣のナイジェリアでは、アフリカ伝統文化指導者評議会(COTLA)が、女性に対するあらゆる形態の暴力と有害な伝統的慣習を全国で終わらせるための取り組みを倍増させることを約束しました。
COTLAは、COTLAが廃止を約束した長年の「金銭結婚」(両親や祖父母の借金を清算するために女の子を嫁がせる)など、ネガティブな行動や有害な伝統的慣習の根絶に貢献し続けています。
「FGMは、女性や少女が自分の可能性を最大限に発揮する能力を奪ってきました。私たちは、リベリアのすべての人に、FGMを含む女性と少女に対するあらゆる形態の暴力を防止するための取り組みを強化し、平等を目指す全ての世代のための行動連合のコミットメントを各自の責任とするよう呼びかけます」と、UN Womenリベリア代表のマリー・ゴレス・ニジガマさんは述べています。
ご寄付でできることの例
- $12(1,800円) リベリアの少女一人をFGMから救えます
- $25(3,700円) FGM根絶の認知度を高めて社会を変えていく活動の実施
- $30(4,500円) FGM根絶を啓発するキャンペーンの支援
- $54(8,000円) リベリアでFGM被害者ひとりが立ち直って自立する支援
- $80(11,850円) FGM被害者に緊急治療の実施
FGMが女性と少女の人生をいかに不幸なものにしているかお分かりいただけたでしょうか?
この因習をなくすために活動を続けているUN Womenにぜひお力をお貸しください!
■インターネットでクレジット決済を利用される方
以下のURLから1口500円からでもお申込みいただけます。
https://www.unwomen-nc.jp/donation/#kifu
「団体へのメッセージ」に”FGM”とご支援先がわかるようにご記入ください。
■インターネットを利用されない方
以下の、郵便局からの振り込みのご利用をお願いいたします。
郵便局 振替口座番号:00240-7-43928
口座名義:NPO法人国連ウィメン日本協会
通信欄:「FGM」