世界が見守る中、ガザの市民は極度の危険にさらされています: さらに深刻な大惨事を避けるための10の要件

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2024年2月29日

UN Women(国連女性機関)を含む機関間常設委員会の主要メンバーによる声明

2024年2月21日

ニューヨーク/ジュネーブ/ローマ、2024年2月21日-10月7日の残忍な攻撃とそれがさらに激しさを増していく中、この5カ月足らずの間に、ガザ地区では何万人ものパレスチナ人―そのほとんどが女性と子ども―が死傷しました。人口の4分の3以上が何度も家を追われ、生きるための基本的な必需品である食料、水、衛生設備、医療が著しく不足しています。

医療保健システムは、悪化し続けており、壊滅的な結果をもたらしています。2月19日現在、入院患者を収容できる36の病院のうち、機能しているのはわずか12で、しかも部分的にしか機能していません。10月7日以来、ガザでは370件以上の医療施設への攻撃がありました。

病気が蔓延しており、飢饉も襲ってきています。水は細々としか出ませんし、基本的なインフラは壊滅状態です。食糧生産は停止して、病院は戦場と化しています。100万人の子どもたちは、日々のトラウマに直面しています。

ラファは、100万人以上の避難民、飢えた人々、トラウマを抱えた人々の最後の砦となっています。人々は、ラファというせまい土地に詰め込まれており、この残忍な紛争のもうひとつの戦場と化しています。この人口密集地で暴力がさらにエスカレートすれば、大量の死傷者が出ることは避けられません。また、すでに困難を極めている人道的対応にも致命的な打撃を与えかねません。

ガザに安全な場所はないのです。

人道支援者たちは、自分たちも避難、砲撃、死、移動制限、市民秩序の崩壊に直面しているにもかかわらず、困っている人たちに必需品を届けようと努力を続けています。しかし、安全や移動の制限など、多くの障害に直面しているため、彼らにできることは限られています。

どんなに人道的な対応をしても、ガザの家族が耐えてきた数カ月間の困窮を埋め合わせることはできません。それでも私たちは、気温が急降下するなか、人道支援活動を続ける努力を惜しみません。せめて、最低限必要なもの、すなわち医薬品、飲料水、食料、避難所を提供したいからです。

そのために必要なのは

  1. 即時停戦
  2. 民間人と彼らが頼るインフラの保護
  3. 人質の即時解放
  4. ガザ北部を含む、すべての地点から援助物資を搬入できるような、信頼できる入口
  5. 援助物資をガザ全域に大規模に配布するための、安全保障と妨げられない通路
  6. 人道支援スタッフと物資がガザ内を移動し、安全に援助を届けることができるような、人道支援通知システムが機能すること
  7. 道路を通行可能にし、近隣の爆発物を除去すること
  8. 人道支援者が安全かつ確実に移動できるような安定した通信ネットワーク
  9. ガザでの人道活動の基幹であるUNRWA(1)が、救命支援に必要なリソースを得ること
  10. 人命救助に最善を尽くしている国連やNGOの信用を失墜させようとするキャンペーンをやめさせること

人道支援機関は、危険を顧みず、献身的な活動を続けています。でも、彼らだけに事態の収拾を任せることはできません。

私たちはイスラエルに対し、国際人道法および人権法に基づき、食糧と医療品を提供し、援助活動を促進する法的義務を果たすよう求めるとともに、世界の指導者たちに対し、さらに深刻な大惨事が起こらないようにすることを求めます。

署名者

・マーティン・グリフィス 緊急援助調整官兼人道問題担当事務次長(OCHA)
・ソフィア・シュプレヒマン・シネイロ、ケア・インターナショナル事務総長
・屈冬玉(Qu Dongyu)博士、国連食糧農業機関(FAO)事務局長
・ジェーン・バックハースト ICVA(クリスチャン・エイド)議長
・ジェイミー・マン ボランティア組織国際評議会(ICVA)事務局長
・トム・ハート、インターアクション最高経営責任者兼社長
・エイミー・E・ポープ、国際移住機関(IOM)事務局長
・ティヤダ・ドイエン・マッケンナ マーシーコープス最高経営責任者
・フォルカー・テュルク、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)
・ジャンティ・ソエリプト、セーブ・ザ・チルドレン 会長兼最高経営責任者
・ポーラ・ガビリア・ベタンクール(国内避難民の人権に関する国連特別報告者)
・アヒム・シュタイナー 国連開発計画(UNDP)総裁
・ナタリア・カネム 国連人口基金(UNFPA)事務局長
・フィリッポ・グランディ 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)所長
・国連人間居住計画(UN-Habitat)ミハエル・ムリナー事務局長臨時代理
・キャサリン・ラッセル 国連児童基金(UNICEF)事務局長
・シマ・バフースUN Women事務次長兼事務局長
・シンディ・マケイン 世界食糧計画(WFP)事務局長
・テドロス・アダノム・ゲブレイエスス世界保健機関(WHO)事務局長

[1] 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、この声明を全面的に支持する。

https://www.unwomen.org/en/news-stories/statement/2024/02/civilians-in-gaza-in-extreme-peril-while-the-world-watches-on-ten-requirements-to-avoid-an-even-worse-catastrophe

カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会

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