UN Women(国連女性機関)のオアシスプログラム、ヨルダンとシリアの女性をエンパワー
2024年4月12日
2023年12月2日
2012年以来、UN Womenはヨルダン各地に、シリア難民や弱い立場にあるヨルダンの女性に安全で包摂的な場を提供する22か所のセンターを設立しています。
オアシスプログラムとして知られるこのセンターは、キャッシュ・フォー・ワーク(緊急雇用プログラム)、能力開発、幼児向けサービスなどの重要なサービスを、障がいを持つ多くの女性を含む3万人以上に提供しています。この取り組みでは、ジェンダーの壁に立ち向かい、経済的エンパワーメントを促し、ジェンダーに基づく暴力からの保護を強化することに力を入れています。
「私たちの目的は、女性が労働市場に参加し、社会的な暴力に立ち向かい、リーダーとして台頭できるようにすることです」と、オアシスプログラムマネージャーのニダル・アル・ハジャジさんは言いました。アル・ハジャジさんは、発足時4か所だったセンターを、ヨルダン全土に18か所、ザアタリとアズラックの難民キャンプに4か所へとプログラムの拡大を主導しました。
生計、保護、リーダーシップの構築、教育などにわたるこのプログラムの多面的なアプローチは、女性への革新的な投資につながる環境を育てるというニダルさんの目標を反映したものです。
プログラムの成功は、地域社会における社会的団結やジェンダーへの意識向上にも貢献しており、批判的な反応を取り入れることで、その影響を継続して改善し増強しています。オアシスセンターは、今年の「ジェンダーに基づく暴力に反対する16日間の活動」キャンペーンのテーマである「団結しよう!女性と少女への暴力を防ぐための投資」を体現しています。
「オアシスセンターは、女性が悩みを打ち明け、前向きな対処方法を得ることのできる安全な場所を提供しています」と、オアシスの保護責任者であるハディール・クナイビさんは言いました。女性たちは、双方向型のワークショップや意識を高めるためのセッションを通して、人権、ジェンダーに基づく暴力、保護のメカニズムなど、このキャンペーンに沿った内容について学びます。
「これは単なるワークショップではなく、コミュニティを統合するものであり、人生に責任を持つ力を身に着けた女性を生み出す場です」とクナイビさんは付け加えました。
4児の母であるナイワ・アブ・ザーランさんは、今年初めにアジュルン市のオアシスセンターで6か月の縫製研修を受けました。この研修は、技能を高めるだけでなく、経済的自立を得て自信を持つことにつながります。アブ・ザーランさんは、オアシスとのかかわりを続け、現在はセンターの講師として働いています。
「すべての女性が自身の経済状況に関与し、改善できるよう後押しします」と彼女は言いました。彼女のストーリーは、今年の活動のテーマである「革新的な結果につながる投資」を想起させます。
もうひとりのオアシスへの参加者、アラア・アル・カサブレさんは、オアシスの縫製研修は新たな可能性を感じさせてくれたと言いました。
「オアシスセンターでの経験の後、私はもっと創造的になり、他の新しい経験も受け入れられるようになりました」と彼女は言いました。「以前より自立していると感じ、自分に自信が持てるようになり、そして家族のこともより大切にできています。この経験によって人生に多くのものを得ることができました」。
「この旅を通して多くの人々と出会えたことをとても嬉しく思っています」と彼女は付け加えました。「私たちは皆、互いの経験を分かち合い助け合った結果、今も親しくつながっています」。
同様に、マダバ市のオアシスセンターの研修に参加した障がいのある女性アビール・アブ・リゼクさんは、プログラムが彼女の人生のニーズにぴったりだったと言いました。
「このセンターとここで開かれる研修について知ることができてとても喜んでいます」と彼女は言いました。「今離婚して守らなければならない息子が一人いるので、ちょうどいいタイミングでプログラムに受け入れていただけました」。
オアシスの波及効果は顕著で、ヨルダン各地の女性にレジリエンス、リーダーシップ、自己発見に関する拠点を作り出しています。プログラムは拡大を続け、女性と少女に対する暴力を防止するための投資の力を証明するものになっています。
オアシスプログラムはヨルダンの社会開発省の協力のもと、シリア危機に対応する地域信託基金「マダドファンド」を通して欧州連合、そしてカナダ、オーストラリア、フィンランド、フランス、アイスランド、イタリアの政府から資金提供を受けています。
(翻訳者:早乙女由紀)
カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会