コーディングで固定観念を打ち破ることができる少女:ナターシャ・サングワさんへのインタビュー

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2024年4月30日

今年の「女児とICTの国際デー」(4/25)のテーマは、リーダーシップに焦点を当て、STEM(科学・技術・工学・数学)キャリア構築のためには、強力な女性のロールモデルが必要と強調しています。ルワンダ出身のナターシャ・サングワさんが、コーディングを学び、ジェンダーの固定観念を打ち破る方法について語ります。

2024年4月19日

ナターシャ・サングワさんがコンピューター・コーディングを学びたいと思ったとき、彼女の周りの人々は「あなたは本当にそんなことできると思う?」と言いました。コーディングには時間と集中力が必要ですが、少女にはそれが欠けていると彼らは考えていました。結局のところ、技術職のほとんどを男性が占めているからです。

「コーディングの仕方を学び、テクノロジー業界でのキャリアを追求することで、彼らが間違っていることを証明したいというモチベーションがありました」と、昨年ルワンダで「アフリカの少女はコーディングができるイニシャティブ」(AGCCI)が主催した最初のコーディングキャンプに参加したサングワさんは言います。

サングワさんは、2023年10月にルリンド地区のIPRCトゥンバ工科大学で開催されたルワンダ初の「アフリカの少女はコーディングができるイニシャティブ」(AGCCI) コーディングブートキャンプに参加しました。写真提供:UN Women/Geno Ochieng

このプログラムは、UN Women、国際電気通信連合、アフリカ連合がルワンダを含む11カ国で主導しています。2週間のキャンプで、参加した女の子たちは、コーディング、ロボット工学、ジェンダー平等についても学びました。

「AGCCIプログラムに参加しているうちに、テクノロジー業界に存在する大きな男女格差に気づきました」と、ロボット工学とサイバーセキュリティに最も関心のあるサングワさんは述べています。「オンライン攻撃を防ぎ、オンラインプレゼンスを保護する方法について、貴重な知識を得ることができました。」

これらのスキルを身に着けたサングワさんは、皆がオンラインで身を守る方法を学ぶのを助けたいと考えています。「この経験は、テクノロジー分野に存在するジェンダーギャップを埋めることの重要性に目を向けさせ、より包括的で多様なテクノロジー業界の創造に向けて取り組み続けるきっかけとなりました」と彼女は付け加えました。

サングワさんは現在、地元の農家と顧客を直接つなぎ、より広い市場にリーチするのに役立つアプリの開発に取り組んでいます。

少女をICT分野から遠ざける固定観念

「(ICTにおける)女性のロールモデルが不足しており、コーディングは女の子には難しすぎるという固定観念があります」とサングワさんは言います。

「少女がコーディングのキャリアを追求すると、クリエイティブでかつ女性らしくあることを両立することは難しくなると信じている人もいます。コーダーは、暗い部屋でコードを書き、他の誰とも話さない孤立した個人であると思われがちです」

サングワさんとこのプログラムの他の参加者は、これらの神話に挑戦し、より多くの少女がテクノロジーを学び、ICTのキャリアを追求するよう促しています。

ルワンダで開催された第1回AGCCIブートキャンプでのロボティクスセッションの参加者。
写真提供:UN Women

女性・少女のテクノロジーへのアクセスとICT参加の向上

「少女たちにテクノロジー分野での女性ロールモデルを提供し、モチベーションを高めることは、この分野への女性参加を増やすために不可欠だと信じています」とサングワさんは述べています。「固定観念に挑戦し、少女がテクノロジー業界でキャリアを積むことができることを示すことが重要です。」

サングワさんは、AGCCイニシャティブやシーメンスの「少女をエンパワー」プログラムのようなプラットフォームが、より多くの少女をICTのキャリアに参加するよう促し、奨励できると感じています。

「AGCCIのキャンプに参加した後、私は妹たちから始めて、少女たちが恐怖を乗り越え、テクノロジーに興味を持つようになるのを手伝いました。シーメンスの「少女をエンパワー」プログラムを修了した今、ピアメンターになり、私の旅を他の少女たちと分かち合えることを嬉しく思います。

「メンターシップとサポートを提供することで、より多くの少女がテクノロジー業界でのキャリアを追求し、すべての人にとってより包括的な業界を創造できるよう支援することができます。」

若い女性参加者は、AGCCIコーディングブートキャンプ中にラップトップで作業します。 2024年4月、ルワンダのキガリにあるGIZデジタルトランスフォーメーションセンター。
写真提供:UN Women/Geno Ochieng
 

テクノロジーとAIに存在するジェンダーバイアス

サングワさんはコンピューター コーディングを本当に楽しんでおり、すべての個人のニーズを満たす包括的なテクノロジーを設計することを信条としています。そのためにはすべてのジェンダーの視点が必要です。現在、テクノロジー業界は男性が支配しているため、多くのテクノロジーは男性の興味や関心を反映する傾向があります。

また、サングワさんは、人工知能(AI)技術にも興味があり、AIのジェンダーバイアスを懸念しています。「私は、この技術が主に男性によって開発され、主に男性に基づいたデータセットでトレーニングされていることに気づきました。その結果、AIシステムが女性とうまくつながってないことがあります。例えば、女性がAIシステムを使って病気を診断する場合、AIは女性が男性とは異なる症状を呈するかもしれないことを認識していないため、不正確な回答を出すことがよくあります」

「女児とICTの国際デー」の最後に

「私たちはテクノロジーの未来であり、多くのことを成し遂げることができます。ジェンダーのせいでテクノロジーで成功できないなんて、誰にも言わせません」とサングワさんは言います。

「力を合わせれば、障壁を打ち破り、固定観念に挑戦することができます。私たちは、機会が平等で、すべての人がテクノロジーにアクセスできる世界を創造することができます。可能性の限界を押し広げ、学び続けましょう」

Girls who can code and break stereotypes: an interview with Natacha Sangwa | UN Women – Headquarters

カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会

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