「女性平和維持軍は皆さんが思っているよりも強い」 – ルバナ・ノウシン・ミティラ中佐へのインタビュー
2024年6月5日
2024年5月24日
国連が5月29日の国連平和維持軍の国際デーを記念し、世界中の平和維持要員の献身と犠牲に敬意を表する準備を進める中、UN Womenはルバナ・ミティラ(Rubana Mithila)中佐に、平和維持活動における女性としての経験について話を聞きました。
警察官や軍人などの制服を着た女性は、現在派遣されている6万4000人を超える国連平和維持要員の10%にもなりません。UN Womenは、平和活動局と協力して、平和維持活動のために女性軍人を育成するためのトレーニングプログラムを実施しています。国連コートジボワール作戦(UNOCI)や国連南スーダン・ミッション(UNMISS)に従軍した経験を持つミティラ中佐は、2023年に訓練を修了しました。
軍隊と国連平和維持活動における女性の役割
「私はバングラデシュの女性将校の第一世代の一人です」とルバナ中佐は言います。2001年、彼女は、学部課程の準備をしていた時、バングラデシュ軍が軍の将校職に女性候補者を募集していると聞きました。 ルバナ中佐は、軍隊を賞賛し、冒険と平等な機会に飢えていました。その年、13,000人の応募者の中で、彼女はトレーニング候補生52人の一人でした。
ルバナ中佐は、コートジボワールと南スーダンで国連平和維持活動に従事。彼女にとって、平和維持活動における女性の参加は極めて意義があり、「自然界のあらゆるものにはバランスがあります。平和維持活動にもバランスの取れた代表が必要です。女性が計画を立てるとき、些細なことまで見ます。男性は通常、全体を見ます。両方を組み合わせると、最も実行可能な計画が得られます。」
「女性平和維持要員は、地域社会の女性や少女の特別なニーズにも、より敏感です。地元の女性たちは女性平和維持軍に心を開いてくれるのです」と彼女は付け加えました。
平和維持活動における女性が直面している課題と固定観念
ルバナ中佐には、軍人としてのキャリアを追求するよう励ましてくれる家族がいました。しかし、軍と国連平和維持活動に加わった後、彼女はいくつかの何度も起こる課題に直面しました
女性将校にとって指導的地位に就くことは容易ではなく、男性は本来指導者に適しているという固定概念を打ち破るゆっくりとしたプロセスでした。「私は、一人の人間として、意思決定プロセスと作戦に貢献できるということを証明しなければなりませんでした」とルバナ中佐は語ります。「男性以上にそれを証明しないといけなかったのです。」
彼女が打ち破りたいと思っている一般的な神話は、女性は男性よりも強さも能力も劣っているということ。「女性の平和維持要員は、あなたが思っているよりも精神的にも肉体的にも強いのです。戦場に赴くとき、彼女達は男性よりも勇敢になります。」
「また、(軍隊で女性が)男性と一緒に働くと、女性らしさが失われるという誤解もあります。そんなことないですよ。むしろ、お互いに支え合い、より成長するのです。軍は、平和維持活動のような特殊な状況に対して、より敏感になり、同情的になるのです。」
ルバナ中佐はまた、ジェンダーに配慮した宿泊施設の課題と、そのような施設の不足が女性平和維持要員の派遣の障壁になり得ることについても言及しました。十分なプライバシーを確保し、女性用の洗面所を居住区に近づけ、男性の洗面所から離すという単純なことで、大きな違いが生まれます。
しかし、平和維持要員が遠隔地に展開する必要がある場合、上官は兵站の負担が増えると感じたため、女性を増やすことを躊躇していたことを思い出しました。「大隊は、女性平和維持要員をパトロールに従事させることを躊躇することもある。なぜなら、平和維持要員である彼女たちを守る必要があると考えているからです。それは真実ではありません - 私たちは自分自身の世話をすることができます」と彼女は強調しました。
平和維持活動への女性の有意義な参加を増やすために、国家警察と軍隊を支援し、インセンティブを与えることは、制服を着た要員のジェンダー平等に関する国連の目標を達成するための重要なステップです。2019年以降、UN Womenが主催するElsieイニシアティブ基金は、各国がより多くの女性平和維持要員を採用・派遣し、ジェンダーに配慮した施設を建設し、派遣条件を改善するための20のプロジェクトに1,700万米ドル以上の助成金を授与してきました。
女性平和維持要員が地域社会に及ぼす影響
「地元の女性は、女性平和維持要員に対してより心を開いています」とルバナ中佐は述べました。彼女の発言は、ジェンダー対応型平和維持部隊が、奉仕するコミュニティとの信頼関係を築き、平和活動の有効性を向上させることを示す多数の報告に裏付けられています。
「女性の平和維持要員は、男性がアクセスできない情報を入手できることがあります。」ルバナ中佐は、最近参加した女性軍事平和活動コースの話をしました。
「モンゴルの平和維持軍が、給水ポンプの話をしてくれました」とルバナ中佐は語ります。「彼らはコミュニティに給水ポンプを建設し、女性たちが水を得るために遠くまで移動する必要がないようにしました。しかし、ポンプは建設から1か月以内に何度も破壊されたり、動かなくなったりしました。何度も再建して、原因究明のためモンゴルの平和維持軍が現地の女性たちと話をしたところ、女性たちはその場所に給水ポンプを設置したくないということがわかったのです。その場所に水を汲みに行くのは、女性が家族の男性から離れて過ごす唯一の時間でした。彼女たちはそれを休息だと考え、自分たちの日常を変えたくなかったのです」
女性平和維持要員がいなければ、給水ポンプの位置がコミュニティの女性たちのために機能しなかった理由を知ることはありませんでした。
UN Womenと平和活動省の訓練サービスによる3週間の訓練プログラムは、平和維持活動に向けて女性軍人をよりよく準備するための詳細で実践的な知識を提供しています。
また、女性平和維持要員は、奉仕するコミュニティの女性や少女にとって強力なロールモデルとなっています。「コミュニティの女性や少女たちは、女性平和維持軍である私たちを見ると、平和のために立ち上がろうという気持ちになります」とルバナ中佐は付け加えた。
国連平和維持軍国際デーに寄せてのメッセージ
ルバナ・ノウシン・ミティラ中佐は、平和維持活動への参加を志す女性と少女に次のメッセージを送っています。「この世界を戦争や紛争のない世界にするために、性別に関係なく、誰もが平和のために働かなければなりません。」
カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会