UN Women、第4回小島嶼開発途上国国際会議でジェンダー平等を提唱

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2024年6月11日

2024 年 5 月 31日

小島嶼開発途上国(SIDS)は、気候変動対策、災害リスク削減、世界の海洋保護などの分野において、独自の指導的役割を担ってきました。これらの小島嶼国には、持続可能な開発に向けた前進と達成を推し進めるレジリエンス構築の機会が無数にあります。

SIDSはまた、独自の脆弱性にも直面しています。SIDSは気候変動、生物多様性の損失、汚染、災害や自然災害、社会的・経済的危機の影響に耐え忍んでいます。また、ジェンダー平等に向けて顕著な進展が見られるにもかかわらず、SIDSには女性と少女のエンパワーメントとその権利を妨げる特有の課題があります。

SIDSのジェンダー平等を達成するには、各国の抱える障壁を克服し、脆弱性を回復力・革新・平等の手段へと変える対応が求められます。

12%

SIDSのわずか12%のみが、 ジェンダーの課題を評価・ 対処するのに欠かすことのできないジェンダーに特化したデータを保持しています。

943億米ドル

2010年から2019年にかけて、SIDSは天候、気候、水関連の災害により943億米ドルの損失を被りました。

4.7倍

SIDSは遠隔地にあるため、支援を届けるのに他国より4.7倍高いコストがかかります。

出典 SIDS会議ファクトシート

そのためUN Womenは、第4回SIDS国際会議(SIDS4)に先立ち、5月25日から26日にかけてアンティグア・バーブーダでジェンダー平等フォーラムを共催しました。フォーラムには、40カ国以上から200人以上の関係者が参加し、彼らはジェンダー平等をSIDSのアジェンダの中心に据えることを表明している幅広い選挙区やセクターを代表していました。

同フォーラムは、SIDS4の出席者に対し、ジェンダー平等、女性の人権、そして、女性と少女のエンパワーメントが優先され、それぞれの国家計画や政策においてジェンダー平等が主流となることを確実にするよう求めました。

SIDS4が5月27日に「強靭な繁栄への道を切り開く」(“Charting the course toward resilient prosperity”)というテーマで開始されると、UN Womenは、気候変動レジリエンスおよび気候危機に対する第一対応者(ファースト・レスポンダー)としての女性への投資、公正な資金調達、気候・ジェンダー・人種的公正の関連性、SIDSにおけるデジタルアートの役割、ならびに、女性の人権擁護者についてのサイドイベントを開催し、女性の権利を訴え続けました。

UNウィメンの代表はまた、アンティグア・バーブーダ、アルバ、バルバドス、サモア、ハイチ、パラオ、マーシャル諸島などのSIDSの代表や、カリブ海銀行、カリコム事務局などの国際機関の代表ともハイレベル会合を行いました。市民社会フォーラムでは、市民社会グループと国際機関の連合が、市民社会組織をよりよく支援するための「SIDS市民社会行動計画およびロードマップ」を立ち上げました。

UN Womenは、第4回SIDS国際会議(SIDS4)に先立ち、5月25日から26日にかけてアンティグア・バーブーダでジェンダー平等フォーラムを共催しました。 写真:UN Women/ライアン・ブラウン

5月30日、SIDSのためのアンティグア・バーブーダ協定(ABAS)-SIDSの強靭な繁栄に向けた新たな宣言-に正式合意した会議の閉会式で、ジェンダー平等フォーラムの概要が報告されました。

ABASは、経済、貿易から観光、水産養殖に至るまで、幅広いトピックをカバーしています。そして、この合意は、これらの分野を横断してジェンダー平等と女性のエンパワーメントの重要性を再確認し、持続可能な開発におけるその乗数効果を認識するものです。また、女性と少女の人権の促進と保護、およびすべての女性と少女に対するあらゆる形態の暴力の撤廃を求めています。

環境悪化、気候変動、経済危機に対するSIDSの脆弱性は、女性と少女のエンパワーメントとその権利を妨げてきました。この合意は、ジェンダーに対応し、障がい者インクルーシブな行動を通して、危険やリスクに対処するためのより強固なガバナンスを構築することを求めています。

UN WomenはABASの採択を歓迎し、39のSIDS諸国すべてでその実施を支援することを誓いました。特に注目すべきは、この合意がジェンダー平等を高く評価していることですが、それは、SIDS諸国の女性と少女の生活を向上させるため熟考の上にだされた数々の提案の結果です。

「このSIDS会議は、小国が非常に重要であることを示しました。この合意は、利益よりも人々と地球を優先するものであり、合意内容の実施は、これらの国々の女性と少女を必要不可欠な後押しするものでなければなりません」と、会議に出席したUN Womenのニャラドザイ・グンボンズバンダ事務局次長は述べました。

「気候変動から経済開発に至るまで、あらゆるテーマについて女性が政策の立案と実施を主導できるよう、各国はこの合意を土台にしなければなりません」と彼女は語りました。「ジェンダー平等と女性・少女のエンパワーメントを支持することによってのみ、SIDSは直面する深刻な課題に立ち向かうことができるのです」。

https://www.unwomen.org/en/news-stories/news/2024/05/un-women-advocates-for-gender-equality-at-4th-international-conference-on-small-island-developing-states

カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会

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