ガザでは少なくとも55万7000人の女性が深刻な食料不安に直面している

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2024年7月5日

2024 年 6 月 27 日

紛争が続き、人道的アクセスが制限されている限り、ガザ地区全域で飢饉の高いリスクは続くと、総合的食料安全保障レベル分類(IPC)の新しい報告書は述べています。

食料不安は、ガザの女性たちに様々な形で影響を及ぼしています。UN Womenの推計によると、ガザでは少なくとも55万7000人の女性が深刻な食料不安に直面しており、新旧のジェンダーに基づく脆弱性に直面しています。

ガザ地区南部ラファのテントで豆を囲む家族。 写真:UNICEF/Abed Zagout UNICEF/Abed Zagout

母親や成人女性の状況が特に懸念されます。というのも、彼女たちは、自分よりも他人を優先して食事を与えることが多く、また、男性に比べて食料の入手が困難であるため、食事を抜いたり、子どもに食事を与えるために摂取量を減らしたりする人が多いからです。紛争の中で、女性はケア労働の負担が増大し、サービスへのアクセスは制限され、健康と食料の安全保障は損なわれ、あらゆる種類のジェンダーに基づく暴力を受ける高いリスクに直面しています。

以下は、ガザ地区全域の人々を対象としたUN Womenの最近の調査に基づく、食料不安がガザの女性にどのような影響を与えるかを説明する5つの重要なファクトです[i]

1 . ケアの負担: 女性は、特にテントや過密状態の家庭で、増加するケアや家事の責任を負いながら、子どもたちの心身の健康を守るために奮闘しています。調査回答者の男女の77%が、食事や身体のケアを含む子どもの世話は主に母親の責任であると回答しています。

2. 身体の健康と体重減少: ガザでは、食料不安と栄養不良が蔓延しています。UN Womenがインタビューした女性の10人中7人が、過去30日間に体重が減少したと報告し、半数以上が頻繁にめまいを経験しています。

3. 食料支援: 女性の回答者の80%以上が、主な食料源を食料支援に頼っていますが、87.3%が、食糧支援が家族の人数に応じて公平に分配されていないと考えています。UN Womenがこれまでに収集した証拠によると、母親は一番最後に食べたり、子どもに食べさせるために食事を抜いたりして、食べる量も一番少ないことが多いとわかっています。さらに、83.5%が、支援は世帯のニーズを満たしていないと述べています。

4. 妊娠・出産・産後の合併症:妊娠中および授乳中の女性は、不十分な医療と栄養のために、健康上のリスクが高まっています。妊婦の76%が貧血を報告し、99%が必要な栄養製品やサプリメントへのアクセスに困難があり、妊産婦と乳児の健康が脅かされています。母乳を与えている母親のいる世帯では、55%が母乳を与える能力を損なう健康状態にあると報告し、99%が十分な母乳を確保するのに問題を抱えており、乳児の生存、成長、発達が損なわれています。

5. キッチンへのアクセスと危険な調理法: 回答者のわずか3分の1しか食事を調理できるキッチンを利用できていないと回答しています。さらに、69%が薪やその他の廃棄物を使うなど、安全でない調理法に頼っており、これが健康上のリスクを高めています。伝統的に食事の支度を担っている女性は、有害な煙や汚染物質にさらされ、それが呼吸器やその他の健康問題につながっています。

「私たちがガザ市に住んでいたとき、戦争のせいで、突然、食べ物がなくなりました」と、UN Womenの調査の一環として行ったインタビューに答えた16歳の少女は語ります。「市場には野菜もなく、食べ物もまったくありませんでした。最悪なものを食べるしかありませんでした。」

「例えば、白い小麦粉は手に入らず、小麦粉に動物の飼料を混ぜなければなりませんでした」と彼女は言います。「動物の飼料を食べるのは初めてだったので、胃が痛くなりました。みんな胃痛に苦しんでいました。食べ物がまったくない日が続き、疲れ果ててしまいました。また、病院もなく、爆撃のために家から出られない日もありました。」

推奨される行動

人道的アクセスを許可すること: ガザ地区全域のすべての住民への不自由のないアクセスを保証すること。

命を救う人道支援を提供すること: 保健、栄養、WASH(水、トイレ、衛生)サービスの回復と、安全で栄養価の高い十分な人道的支援を困っているすべての人々に提供することで、深刻で大規模な食料不安と、WASH や健康の憂慮すべき状態に対処すること。医薬品、燃料、その他の必需品を含むすべての援助物資は、ガザ地区への搬入と全域内の移動を許可されるべきである。

栄養不良の予防サービスと治療を提供すること: 安定化センターと外来治療を維持・保護しながら、急性栄養不良の治療サービスを提供すること。母乳育児を促進・支援し、母乳育児ではない乳児にはすぐに使える粉ミルクを提供すること。幼児、妊産婦、授乳中の女性、慢性病患者、高齢者に補完食と微量栄養素のサプリメントを提供すること。

生産と市場システムの回復: 市場のインフラとパン屋の機能を回復させ、可能であれば現金ベースの介入を組み合わせること。植物栽培、畜産、漁業を含む食料生産システムを早急に復旧させること。しかし、物資の供給は、人道支援を犠牲にしない形で継続しなければならない。

合わせて、ガザ支援キャンペーンをご覧ください。

ガザ支援第8弾:パレスチナの女性主導団体への緊急支援が今こそ必要です! パレスチナの女性主導団体は、ガザ地区とヨルダン川西岸地区で展開されている 人道的対応の最前線で活躍しています |  


[i] ガザ地区全域の男性295人、女性305人を対象としたUN Womenの調査(2024年4月)

At least 557,000 women in Gaza are facing severe food insecurity | UN Women – Headquarters

カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会

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