国連報告書『ジェンダー・スナップショット2024』、 ジェンダー格差是正を目指し、世界が早急に行動することを訴える

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2024年9月19日

女性と少女への投資と差別の撤廃こそ、持続可能な開発のための2030アジェンダの約束を実現する鍵です。

ニューヨーク、2024 年 9 月 16 日―『持続可能な開発目標の進捗状況』の最新版: UN Womenと国連経済社会局が本日発表したジェンダー・スナップショット2024』は、ジェンダー平等と女性・少女のエンパワーメントに、世界中で進展があったことを明らかにしています。国会の議席の4議席に1議席は女性が占めるようになり、10年前と比べて大幅に増加しました。極度の貧困にあえぐ女性と少女の割合は、COVID-19の大流行期に急増していましたが、ついに10%を下回りました。最初の「ジェンダー・スナップショット」以降、ジェンダー格差の是正を求める法改正が世界中で56件も実現しました。

しかし、報告書に掲載されたデータによると、持続可能な開発目標5(ジェンダー平等)の指標およびサブ指標は、いずれも達成されていません。現在のままでは、議会でのジェンダー平等は遠い夢のままで、2063年まで達成できない可能性があります。すべての女性と少女を貧困から救うには、まだ137年もかかります。また、少女の約5人に1人が子どもの頃に結婚しているのです。

世界の指導者たちは、9月22日~23日に開催される「未来サミット」に向けて、ジェンダー格差を是正し、ジェンダー平等を達成し、すべての女性と少女のエンパワーメントと権利を促進するための新たな国際的合意を形成するよう求められています。この目標を達成するのは簡単ではありませんが、可能です。

UN Women事務局長のシマ・バフース氏は、「本日の報告書は、否定しようがない真実を明らかにしています」と述べています。「私たちは、約30年前に北京で開催された第4回世界女性会議と2030アジェンダで世界の指導者たちが約束したことを実現するために、ジェンダー平等を目指して前進し続ける必要があります。私たちは団結して、女性と少女が直面する障壁を引き続き取り除き、ジェンダーの平等が単なる願望ではなく、現実となる未来を切り開こうではありませんか」。

報告書は、ジェンダー不平等がもたらす驚くべき代償を強調しています。例えば、若い世代に十分な教育を施すことができない国の年間総コストは、10兆米ドルを超えています。中低所得国は、デジタル・ジェンダー・ギャップを解消しないことで、今後5年間でさらに5,000億米ドルを失う可能性があります。

「ジェンダー平等を見過ごすコストは計り知れず、それを達成することで得られるものは無視できないほど大きいのです。私たちは、社会のあらゆる分野に女性と少女が完全かつ平等に参加できるようにしてのみ、2030アジェンダを達成することができます」と、李俊華(リ・ジュンファ)国連経済社会問題担当事務次長は述べています。

この報告書には、17の持続可能な開発目標すべてでジェンダーの不平等をなくすための一連の提言が含まれており、例えば法改正では、ドメスティック・バイオレンス(DV)に関する法律が整備されている国では、親密なパートナーからの暴力の割合が9.5%であるのに対し、整備されていない国では16.1%と高いことが強調されています。

報告書は、9月22日~23日に開催される未来サミットと、2025年の北京宣言・行動綱領30周年において、断固とした行動をとること、具体的には投資を増やし、女性と少女に対する差別をなくすこと、そして2030アジェンダの約束を果たすことを求めています。

レポートの詳細はこちらをご覧ください。

https://www.unwomen.org/en/digital-library/publications/2024/09/progress-on-the-sustainable-development-goals-the-gender-snapshot-2024

カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会

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