声明: 私たちみんなの未来のために自然を維持する農村女性たち

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2024年11月13日

農山漁村女性のための国際デー(2024年10月15日)に寄せるUN Women声明

2024年10月11日付

 農山漁村女性のための国際デー は、農業と農村の発展、食糧安全保障と栄養状態の改善、農村の貧困根絶において、先住民の女性を含む農村女性が果たす役割の重要性とその貢献を認識する日です。これらは、私たちの共通の未来を守るために不可欠なものです。2024年の農山漁村女性のための国際デーでは、気候変動に対する強じん性の構築、生物多様性の保護、土地の手入れなどで農村女性が果たしている重要な役割を改めて認識し、称えるようすべての利害関係者に呼びかけます。

2018年12月、収穫したキャッサバを囲んでポーズをとるカメルーンのSCOCCOMADのメンバー。写真: UN Women/ライアン・ブラウン

守るべきもの、回復させるべきものはたくさんあります。気候変動、生物多様性の喪失、土地の劣化によって、農村の女性と少女の権利、強じん性、資源は重大な影響を受けています。UN Womenの最新の調査によると、最悪の場合世界中で、2050年までに気候変動によって新たに1億5,800万人の女性と少女が貧困に追いやられ、2億3,600万人の女性と少女が食料不足に陥る可能性があることがわかりました。生態系、天然資源、生計が枯渇しつつあり、農村女性が健康的な食料、クリーンエネルギー、水といった資源を安全に確保できなくなっています。2022年の世界の農村人口のほぼ半数(45.6%)がクリーンな調理用燃料や技術を使えておらずいまだに世界で18億人が飲み水を自宅外の供給所に頼っています。10世帯のうち7世帯で、主に女性と少女が暖房や調理用の燃料として木材などのバイオマスを集め、水汲みをする役割を担っています。

来年30周年を迎える北京宣言及び行動綱領で示されているように、今こそ女性の生計、リーダーシップ、権利、強じん性を促進するときです。そのためには、特に農村地域において電気や水道へのアクセスなどに対する投資を拡大する必要があります。こうした投資は、女性と少女の無償のケア労働、家事労働を軽減し、コミュニティ作りや生態系回復など女性と少女の日々の行動を支援するために重要です。

また女性差別撤廃条約が呼びかけているように、農村女性の土地や天然資源についての権利を妨げる差別的な法律や慣習を排除することも喫緊の課題です。農村女性が地球上の生命を育んでいるという事実にもかかわらず、女性が自ら耕している土地を管理することが制限されたり否定されたりしており、さらに男性の農業から得る収入1ドルに対して女性の収入は82セントにとどまります。こうした不平等は、インフラ、サービス、社会保障への女性のアクセスが制限されていることによって拍車がかかっており、女性が環境ショックから回復する能力を妨げています。

例えば、アメリカ農村の全女性、青年、少女の権利のための米州の10年間やアフリカの農村女性が結集したキリマンジャロイニシアチブのような、レベルの高い取り組みを世界のあらゆる地域で再現し、ひとりの農村女性も取り残さないようにしましょう。

そして今年開催される3つのリオ条約締約国会議に向けて、すべての人と地球にとって平等、公正で持続可能な世界を築くという女性の重要な役割を支えるために、団結して農村女性の権利を促進し、農村女性の声を拡大し、具体的な行動を起こしましょう。

(翻訳者:早乙女由紀)

Statement: Rural women sustaining nature for our collective future | UN Women – Headquarters

カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会

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