北京宣言と行動綱領の30年:女性と少女のジェンダー平等、権利、エンパワーメントの達成
2024年12月7日
2024年9月21日付
第4回世界女性会議と北京宣言・行動綱領の採択から30周年が近づくにつれ、世界の指導者、活動家、若者、市民社会組織、その他の関係者が、第79回国連総会に合わせてニューヨークの国連本部で開催されたハイレベル・イベント「北京+30:すべての女性と少女のためのジェンダー平等、権利、エンパワーメントの達成」で、世界のジェンダー平等のアジェンダを議論し、形づくるために集まりました。
女性と少女のジェンダー平等、エンパワーメント、権利に関する重要かつ画期的な会議の主催者として、中国、デンマーク、フランス、ケニア、メキシコの各国政府は、UN Womenと「女性メジャーグループ(WMG)」に加わり、北京行動綱領の実施に向けた世界的な約束の履行に関する議論を開始し、根強く残る課題や新たな課題はもちろんのこと、進捗状況にも焦点を当て、あらゆる女性と少女の権利と機会の平等を達成するための計画に向けて機運を高めました。
行動綱領、平等のための計画
UN Womenのシマ・バフース事務局長はスピーチで、「私たちは、この瞬間を皆で活用する選択ができますし、そうしなければなりません」と述べました。
「私たちは、軌道に乗せるために必要な政治的意志、コミットメント、資源を結集することができますし、そうしなければなりません。 私たちは、北京行動綱領とSDGsの約束を果たすことができますし、果たさなければなりません。 ジェンダー平等の世界は、私たちが選択すれば手の届くところにあります。 私たちには、女性と少女、そしてすべての人、私たちの子どもたち、そして、その子どもたちに対して、これ以上遅らせることなく、あらゆる場所で女性と少女が繁栄する未来を築く義務があるのです。」
また、アラブ首長国連邦を拠点とする若手気候変動活動家のアイシュカ・ナジブ氏は、国際社会に対し、「絶望的でいることは特権的なことなので、あきらめるリスクを冒さないように」と呼び掛け、「私たち市民社会や若者が拠り所としている場所が取り締まられています。反権利運動は非常によく組織化され、権力空間を含む空間に浸透してきています。今日、若いフェミニストでいることは非常に恐ろしいことなのです」と訴えました。
このイベントの進行は、受賞歴のある放送ジャーナリスト、テレビニュースキャスター、ラジオ司会者であり、UN Womenフィリピン国内親善大使でもあるカレン・ダビラが務めました。
女性の権利とジェンダー平等の進展
講演者は、大きな前進にもかかわらず、すべての女性と少女のジェンダー平等、権利とエンパワーメントに関する進展は依然として遅れていることを強調しました。UN Womenの最新の報告書「ジェンダー・スナップショット2024」が示すように、世界はジェンダー平等に投資しないことで、莫大な配当を逃しています。
● 教育と技能におけるジェンダー格差を解消すれば、世界経済に10兆ドルを追加することができる。
● ジェンダー間のデジタル・デバイドに終止符を打てば、5,000億ドル以上を節約できる。
● ケア経済に投資すれば、3億人近い雇用を創出できる。
黄暁偉・中華人民共和国国務院児童女性国家工作委員会副主任: 「世界の情勢は急速に変化しており、開発格差は拡大し、女性の発展は後退の危機に瀕しています。今日、女性の10人に1人が極度の貧困にあえぎ、6億人近くが紛争の影響を受けている地域に住んでいます。平等で包括的かつ持続可能な方法で北京宣言と行動綱領を完全に実施するには、まだ長い道のりがあります。」
ナディーン・ガスマン・メキシコ国立女性研究所所長:「私たちは、ジェンダーと交差的な視点を持つ「未来の協定(Pact for the Future)」を必要としています。なぜなら、それなしには、健全で平和で安全な世界を将来の世代に保証することはできないからです。」
イザベル・ローマ・フランス人権担当大使:「女性に対する暴力がある限り、平等はありえません。加害者の不処罰に終止符を打ち、犯罪者を刑事罰で罰するだけでなく、被害者をよりよく保護し、被害と苦しみを補償し、教育を通じて暴力を防止しなければなりません。」
アン・ワンオンベ・ケニア・ジェンダー・アファーマティブ・アクション担当主席秘書官: 「ケニアは、常に女性と少女のジェンダー平等とエンパワーメントに高い優先順位を与えてきました。1985年に開催された画期的なナイロビ前方位戦略世界会議で『国連女性の10年』と1995年の『北京宣言・行動綱領』の成果が検討・評価されて以来、ケニアは12の重要な懸念分野とその周辺分野において、大きな進歩を遂げてきました。」
ビルギッテ・ナイガード・マルクセン・デンマーク人道活動・市民社会局長 「『北京+30』の成果と『開発資金国際会議』の成果が、ジェンダー平等のための資金調達を中核に据えた強力な国際公約につながることが、私たちの望みです。」
適切な投資と行動を行えば、ジェンダー平等は手の届くところにある
アミーナ・モハメッド国連副事務総長は、未来サミット(9月22日~23日)の終了時に期待される政府間交渉の成果協定である「未来のための協定」の中心にジェンダー平等を据えることの重要性を強調し、次のように述べた: 「北京宣言と行動綱領は、女性と少女の権利を実現するための先見的で前向きなロードマップであり、北京+30は、SDGs 5に向けて軌道修正するまたとない機会です。」
女性メジャーグループを代表するサッシャ・ガビゾン氏は、「私たちには、交差的で、脱植民地的な、未来のフェミニズムのアジェンダが必要です」と述べ、フェミニストと女性団体の重要な役割を強調し、各国政府に対し、フェミニストの動員やフェミニズム的で変革的なアジェンダに資金を提供するよう促しました。
ジェンダー平等の約束を実現するための6つの行動
30年前の1995年、北京宣言と行動綱領が189カ国の政府によって採択され、何千人もの活動家によって支持されたとき、世界のあらゆる地域の人々がジェンダー平等の実現を約束しました。行動綱領は、平等への道筋を示しています。それ以来、新たな課題と機会が台頭してきましたが、解決策ははっきりしています。
UN Womenはこのイベントで、女性と少女、そして若者をこれらの取り組みの中心に据えて最大の効果を引き出し、女性と少女に約束されたことを最終的に実現するための6つの優先行動・投資分野を強調しました。
1. 意思決定の地位に占める女性の割合を急速に高めるための臨時の 特別措置を適用することにより、国および地方自治体におけるジェンダー平等を加速する。
2. 女性に対する暴力をなくすための国家行動計画を採択し、資金を提供し、サービスの範囲を広げるためにコミュニティ主導のメカニズムを支援し、調整する。
3. 優先的に女性と少女に新しいスキルを身につけさせ、グリーンな仕事を得られるようにすることで、グリーン経済への世界的な公正な移行において彼女たちを中心に据える。
4. 携帯電話やインターネットを含むテクノロジーとその恩恵への平等なアクセスを女性に提供することによって、デジタルにおけるジェンダー格差を埋める。
5. 公平で質の高い公的ケアサービスのための国家予算を増やすことによって、女性の経済的エンパワーメントを支えるようケア経済を変革する。
6. 十分な資金を投入した国家行動計画を採用し、危機や紛争への対応を主導する現地の女性組織に資金を提供することにより、女性、平和、安全保障(WPS)の課題およびジェンダーに対応した人道的行動に対する説明責任を推進する。
行動が女性と少女のために実現すれば、すべての人が恩恵を受けます。世界には、女性と少女のジェンダー平等および権利とエンパワーメントを達成するための計画、すなわち「北京宣言と行動綱領」があります。すべての人の声が届き、すべての権利が尊重され、すべての人が平等な機会を享受できる平等な世界を実現するために、誰もが行動を起こすことができます。
カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会