女性の権利をリオ３条約実施の中心に据えるための4つのステップ
2024年12月20日
2024年11月13日付
加速する世界の環境危機への対応において、女性と少女は中心的な役割を担っています。このことは、地球上の生命を保護するための3つのリオ条約（以下、リオ３条約）において最も明らかです。
国連生物多様性条約（UNCBD）、国連砂漠化防止条約（UNCCD）、国連気候変動枠組条約（UNFCCC）の３つの条約が、1992年にリオデジャネイロで開催された地球サミットにおいて、地球規模の環境問題に立ち向かうために採択されました。
これら３つの条約の実施は、ジェンダーの平等と女性の人権に立脚して初めて効果的なものとなります。しかし、リオ３条約のそれぞれに独自のジェンダー行動計画があるものの、しばしば縦割りで実施されています。環境危機そのものが相互にリンクしているのですから、私たちの対応も縦割りを打破し、ジェンダー平等に関連する決定、政策、プログラムがリオ３条約の活動全体で調和されるように取り組むべきです。
近々発表されるワーキングペーパーに基づくUN Womenの新しい簡易報告書は、まさにそのことを検証しています。リオ３条約全てにまたがってジェンダー平等を中心に据えることが、女性と少女にとって重要であるだけでなく、すべての人にとってより良い結果をもたらすということです。
同報告書は、リオ３条約の実施においてジェンダー平等を前面に押し出すために必要なものとして、４つの重要な行動を抽出しています：
1. 能力とリーダーシップの構築
リオ条約の締約国会議（COP）では、ジェンダー平等が前面に押し出されるべきです。そして、先住民族の女性、都市と農村の両方の女性、草の根レベルで環境問題に取り組む女性など、多様な女性の参加とリーダーシップに特別な注意が払われるべきです。
女性、少女、そして彼女たちの権利を擁護する団体は、気候変動や環境保護活動の最前線にいます。政策立案者は、リオ３条約のプロセスや政策にジェンダー対応策を組み込むために、各国のジェンダー担当省庁やその他の利害関係者の助言と同様に、そうした女性たちや団体の助言に耳を傾けなければなりません。
2. ジェンダー対応環境政策の調整
現在、リオ３条約を横断して政策を調整する試みがいくつか行われていますが、気候変動、砂漠化、生物多様性の損失への対応において、ジェンダー関連の問題を一貫して扱うことを保証する正式なメカニズムが存在しません。
ジェンダー平等の問題は、リオ３条約すべての下での交渉、決定、政策にわたって追跡されるべきです。３条約に共通のジェンダー平等目標を調和させ、その実施を監視することは、気候変動、生物多様性、土地劣化の危機へのよりよい対応につながります。
3. ジェンダー平等を支援するための資金を増やす
ジェンダー擁護団体や女性の権利擁護団体が気候・環境資金を含む資源を得られるようになれば、より効果的な政策や影響につながります。しかし、あらゆるレベルの女性団体が資金援助の増加を切実に必要としている状況です。
すべての利害関係者は、リオ３条約全体でジェンダーに対応したイニシアティブのための資金を増やすよう努力すべきです。公的資金がそのような資金の主要な供給源であるべきであり、必要に応じて民間資金からの補足的な支援も必要です。
4. ジェンダー平等に関するコミュニケーションとアドボカシーの調和
リオ条約事務局、締約国、国別フォーカルポイントなどによる調整のとれたコミュニケーションとアドボカシー戦略は、リオ３条約を実施するにあたり、ジェンダーに対応したデータ、証拠、知識の作成と共有を支援することができます。
すべての利害関係者は、ジェンダーの不平等と環境、そしてそれを克服するために必要な対策について、一般の人々の意識を高める役割を担っています。
ジェンダー平等と女性と少女の権利は、現在も続く世界の環境危機への対応の中心でなければなりません。資源と政治力がある時には、女性は効果的な気候・環境政策、持続可能な資源管理、食料安全保障と栄養の改善を擁護してきました。
縦割りを打破し、ジェンダーに対応した相乗効果を構築することで、私たちは、人と地球のための持続可能で変革的な変化のための協力と協調を深め、相互にリンクした環境危機に対処することができます。
気候変動、砂漠化、生物多様性の喪失について、女性と少女のニーズに対応する決定と行動をとることは、正しいことであるだけでなく、私たち全員に影響を及ぼすこれらの危機に立ち向かうために不可欠なことです。
カテゴリ： ニュース , 国連ウィメン日本協会