~教育の国際デー(1/24)によせて~ 学校は、少女に対する暴力を終わらせるためのエントリーポイント
2025年1月21日
学校内外での少女に対する暴力を終わらせることは、人権と開発の実践の両方にまたがる解決策を見出す上で非常に複雑な問題を提示しています。暴力的な態度や行動の観点から見ると、一般的に良好で、安全で、変革的であると認識されている教育環境は、それ自体が暴力の現場であることがよくあるのです。国連の「学校関連のジェンダーに基づく暴力のためのグローバルガイダンス」によると、暴力、特にジェンダーに基づく暴力の根本原因を変革するには、教育が重要な役割を担っています。教育現場は予防するための重要な場所であるだけでなく、暴力の事例にタイムリーに適切に対応するための重要な場所にもなり得ます。
学校現場に介入することの重要性はよく理解されており、このテーマに関するガイダンスノートや資料は存在しています。ただ一方で、このような活動への市民社会や女性の権利団体のエントリーポイントについてはあまり知られていません。この出版物のレビューは、国連信託基金から資金提供を受けた世界42カ国の51の組織の活動に基づいて、そのプロジェクト報告書と最終的な外部評価を文書化しており、その概要は以下のようになります。
- 市民社会組織(CSO)が「女性と少女に対する暴力撤廃」(EVAWG)を目指して、学校内およびその周辺で展開した活動とそのための戦略。
- これらの戦略の結果/成果。そして
- 得られた教訓。
レポートから一つ具体例を拾ってみました。タンザニアでは、アムレフ・ヘルス・アフリカが現地のCSOであるリーガル・ヒューマン・ライツ・センターと共同で、マラ州セレンゲティでFGM(女性性器切除)をなくすための3年間のプロジェクトを実施しました。その中で、 FGMの危険性を認識し、FGMに関連する問題についてどのように話し合ったらよいかについて、100人の学校教師を訓練しました。また、FGM/GBV(ジェンダーに基づく暴力)に反対する学校クラブ137校(小学校110校、中学校23校、私立学校4校)の結成と強化を促進しました。 加えて、140の学校でFGMに反対する対話とフォーラムも促進しました。
セレンゲティの24,533人の女性と少女のうち15,747人が、学校での会議や研修、SMSテキストや年齢別のフォーラムを通じて、FGMの健康への影響と人権的側面を扱うプロジェクトに参加し、感化されています。さらに、プロジェクトは伝統的指導者や割礼師をプロジェクトに参加させ、180人の割礼師に起業のスキルを訓練し、起業資金で支援しました。
このレビューは、女性に対する暴力撤廃国連信託基金(UN Trust Fund to End Violence against Women)の資金提供を受けたCSOが、少女やサバイバーを直接サポートするだけでなく、その親、コミュニティ、学校の教師や行政、サービス提供者、政策立案者などを学校内外での幅広い予防・対応活動に巻き込んでいることを明らかにしました。
このレポートをご覧になりたい方は、こちらをクリックしてください。https://untf.unwomen.org/sites/default/files/2022-04/Schools%20as%20Entry%20Point-UNTFd.pdf
カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会