スーダンにおけるジェンダーに基づく暴力関連サービスに対する需要が、過去12カ月で288%増加という驚くべき結果

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2025年1月24日

スーダンでジェンダーに基づく暴力が急増する中、女性主導の組織とサバイバーへのサービスに資金を提供することが非常に重要です。

2024年12月17日、ニューヨーク

スーダンの危機が深まるなか、このたびUN Womenは、紛争が女性と少女に与える影響に関する新しいジェンダー・アラートを発表しました。2024年10月現在、1,100万人以上の人々が避難民となっており、その半数以上(54%)が女性と少女です。

現在、推定690万人がジェンダーに基づく暴力の危険にさらされています。文書化された集団的・組織的レイプの事例は、戦争の武器として性的暴力が使用されていることを浮き彫りにしており、サバイバーたちは医療的・心理的・社会的支援を切実に必要としています。2023年12月以降、紛争関連の性的暴力を含むジェンダーに基づく暴力のサバイバーがサービスを求める数は288%増加し、危機の広がりを物語っています。少数民族の女性と少女が意図的に標的にされていることを示す証拠があります。

経済的苦難と迫り来る飢饉のリスクは、一部の女性と少女をトランザクション・セックス(取り引き的セックス)に駆り立て、更にジェンダーに基づく暴力とHIVを含む性感染症のリスクにさらすことになっています。紛争の結果、児童婚、女性器切除、その他のジェンダーに基づく暴力のリスクが高まっており、学齢期の少女の4人に3人(74%)(約250万人)が学校に通えていません。

「スーダンの女性と少女の苦しみは、紛争のジェンダー的な影響をまざまざと思い起こさせます」と、UN Women東部・南部アフリカ地域ディレクターのアナ・ムタヴァティ氏は述べました。「戦争の道具として、意図的かつ標的を絞った性的暴力の行使は、人権と国際法の重大な違反です。私たちは力を合わせれば、女性と少女の尊厳と安全を人道的対応の中心に据えることを確実なものにできます。私たちはすべての関係者に対し、このような残虐行為を終わらせるため、そして、さらに広く、この戦争を終わらせ、平和を回復するために、直ちに行動を起こすことを求めます」。

現地の女性主導の組織(WLO)は、サバイバー中心の対応を行う上で不可欠ですが、現在スーダン人道基金(SHF)の総資金の2%以下しか受け取っていません。UN Womenは、女性主導の組織を強化し、コミュニティを基盤としたジェンダー暴力の予防と対応のメカニズムを強化するために活動していますが、緊急に資金を増やす必要があります。UN Womenはまた、紛争終結を提唱する女性主導のネットワークと提携し、停戦交渉に女性の声を取り込む支援をしています。

UN Womenの対応には、心理社会的支援のための安全なスペースの設置や、被害女性の脆弱性を軽減し、強じん性を高めるための職業訓練や経済的エンパワーメント・プログラムの立ち上げも含まれています。

UN Womenは、平和の回復と、戦争の武器としての性的暴力の使用を含むあらゆる形態のジェンダーに基づく暴力の即時停止、そして、女性と少女の安全と尊厳の確保を求めます。加害者の責任を追及し、的を絞った介入を行うためには、紛争に関連した性的暴力の厳密な記録も不可欠です。

レイプの臨床管理、メンタルヘルス・サービス、安全なシェルターなど、包括的な支援システムが緊急に必要です。現在、これらのサービスを利用できるのは、対象となる人口の10%以下にすぎません。スーダンの危機には、緊急かつ長期的な国際社会の一致団結した対応が求められています。不作為の言い訳は許されません。平和と安全のための闘いにおいて、女性と少女を置き去りにしてはならないのです。

(原文)
Alarming 288 per cent rise in demand for gender-based violence services in the last 12 months in Sudan | UN Women – Headquarters

カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会

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