ウクライナでの3年にわたる全面戦争は、女性の権利、安全、経済的機会を数十年後退させた
2025年2月21日
2025年2月19日付
3年という節目にあたり、UN Womenは、670万人の女性が救命支援を必要としていることに鑑み、 女性と少女への支援の規模を拡大するよう呼びかけます。
ロシアによる3年間にわたるウクライナへの大規模な攻撃は、女性と少女に壊滅的な影響を及ぼしています。186万9000人が国内避難民となり、約670万人の女性が人道支援を必要としています。また、実際の死者数はもっと多いと思われますが、国連によれば、3,799人の女性と289人の少女が殺害されました。
全面戦争は、ウクライナの、ある同時代を生きる女性たち全体を後退させてしまいました。彼女たちは、ジェンダーに基づく暴力にさらされる機会の増加、失業率の上昇、意思決定力の低下、家事負担の増大、深刻な精神衛生上の危機に直面しています。
戦争前からすでに多かったジェンダーに基づく暴力は、2022年以降36%も急増しました。戦争に関連した苦悩は、ジェンダーに基づく暴力や家庭内暴力を増加させ、女性と少女にうつ病が増えることにつながっています。女性には経済への平等なアクセスがありません。 2023年、失業者の72.5%を女性が占めていました。2024年までの避難民の女性の雇用率はわずか48%だった一方、男性については71%でした。また、女性の収入は2023年には男性より41.4パーセント低く、2021年以降、賃金格差は倍増しています。無償の家事労働は増えていて、女性が育児に費やす時間は、戦争前の週49時間から2024年には56時間に増加しています。保育施設の閉鎖が負担を悪化させています。
計り知れない困難にもかかわらず、女性たちは抵抗の先頭に立っています。女性は、人道支援家、市民社会のリーダー、地域社会を動員する者、起業家として、指導的役割に足を踏み入れており、今日ウクライナでは、2社に1社が女性によって設立されています。警備保障、輸送、地雷除去など、以前は男性が独占していた分野で、女性に新たな機会が開かれつつあります。
2022年2月24日以降、ウクライナの女性たちは、それまでのどんな時よりも、命を救う支援、自分たちの権利を取り戻すための支援、ウクライナの未来に関する意思決定を主導するための支援を必要としています。
UN Womenウクライナ事務所代表のサビーネ・フライザー・グネス氏は次のように述べています。
「ウクライナの女性主導の組織やプログラムに対するドナーの支援は、ジェンダー平等の推進、そして、女性の権利とリーダーシップを推進し続けるために極めて重要です。ウクライナをジェンダー平等でジェンダーに対応した社会として再構築するためには、社会、経済、政治のすべての分野において、女性の全面的な関与が不可欠です。2024年だけでも、UN Womenは、平和・人道基金などを通じてウクライナの全面戦争の影響を受けた18万人以上の女性と少女を支援しました。」
UN Womenは、命を救う人道支援、心理社会的支援、法的支援、 保護サービスや紛争に関連した性的暴力への対応、そして、女性が自分自身や家族のために必要な収入を得る助けとなる経済的エンパワーメント・プログラムを提供しています。UN Womenは、ウクライナ全土にわたって、女性の権利へのアクセスと女性の意思決定と公共政策のプロセスへの有意義な参加を促進するための法律の採択を支援しています。
UN Womenは、すべての復興と開発努力において、女性のエンパワーメントとジェンダー平等への投資を求めます。UN Women は、女性の権利団体や女性指導者たちが人道支援を提供し、早期復興と平和構築プロセスに参加できるよう、彼女たちへの新たな支援を呼びかけます。
カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会