すべての女性と少女のために: 第69回国連女性の地位委員会(CSW69)イベントで、女性の権利の進展を加速するための行動アジェンダを発表

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2025年3月23日

2025年3月13日付

今年は、今日までジェンダー平等に関する最も画期的な計画であり続けている「北京宣言と行動綱領」の採択から30周年にあたります。 それにもかかわらず、過去30年間の進展はあまりにも遅く、脆弱です。もし私たちが行動を加速させなければ、今日生まれた少女は、女性が男性に匹敵する数の議席を得るまでに39歳を迎え、児童婚がなくなるまでに68歳を迎え、女性と少女の極度の貧困の撲滅にはさらに137年かかるので、少女が生きている間にそれが達成されることはないでしょう。また、気候危機は、ジェンダー平等に関するせっかくの成果を覆す脅威であり、武力紛争は女性と少女の生活に壊滅的な打撃を与え続けています。

2025年3月12日、UN Womenは「すべての女性と少女のために:北京+30行動アジェンダ」にリーダーや専門家を招集し、北京行動綱領と持続可能な開発目標(SDGs)の公約達成に向けて、より早い前進を遂げるための6つの重要な行動について議論しました。 このフラグシップ・サイド・イベントは、第69回国連女性の地位委員会の会期中に国連本部で開催されました。

CSW69の期間中、「すべての女性と少女のために:北京+30行動アジェンダ」イベントが開催され、ジェンダー平等に向けてより早く前進するための6つの重要な行動について議論された。写真 UN Women/Ryan Brown

UN Womenのシマ・バフース事務局長は冒頭、共通の目的のもとに団結するよう呼びかけました。「私たちは共に、無関心より行動を選択します。私たちは共に、絶望よりも希望を選択します。私たちは共に、北京宣言の精神に再び火をつけることを選択します。」

アミナ・モハメド国連副事務総長は、ジェンダー平等が「SDGsの進展と恒久的な平和の鍵を握っている」ことを思い出させ、事務総長が前週立ち上げた「ジェンダー平等加速計画」を強調し、それは「ジェンダー平等をすべての努力の中心に据え、私たちの取り組み方を変えていくだろう」と述べました。

地域委員会ニューヨーク事務所(Regional Commissions New York Office)のティルミーザ・フセイン所長は、当時、女性がリーダーシップを発揮する機会がほとんどなかったモルディブで育ったが、強力な女性のロールモデルに触発され、モルディブが国連に加盟してから50年以上経った今、同国初の女性国連常駐代表に就任することができたと振り返りました。「長くかかりすぎました」と彼女は言います。

すべての女性と少女のために、世界はそれを実現しなければならない。

行動 1:デジタル革命

国際電気通信連合のドリーン・ボグダン=マーティン事務局長は、ジェンダー間のデジタルデバイドを解消する必要性を強調しました。後発開発途上国では格差が拡大しており、オンライン利用率は男性が41%であるのに対し、女性は29%未満にとどまっています。「デジタルデバイドを解消することで、低・中所得国は今後5年間で5,000億米ドルの節約になる」と彼女は述べました。また、人工知能を含むテクノロジーの設計とガバナンスにおいて、女性が意思決定者となる必要性を強調しました。

中華人民共和国国務院児童・女性国家作業委員会の黄暁薇副主席は、農村部における女性のデジタルリテラシー向上プロジェクトや、女性従業員のデジタルスキル向上プロジェクトなど、より多くの女性をテクノロジー分野に取り込むための国家的取り組みについて述べました。

行動2:貧困からの解放

ブラジルのケア・家族省長官であるライズ・ウェンデル・アブラモ氏は、人々を貧困から救う上でケア制度が果たす中心的な役割について語りました。彼女は、ブラジルで幼い子供を持つ女性の83%が、無償のケア負担のために労働市場に入ることができていないと述べました。彼女は、総合的で包括的な社会保護制度の必要性を訴え、その解決策の一部として国のケア政策に言及しました。

行動3:暴力ゼロ

EUのハジャ・ラービブ準備・危機管理・平等担当委員は、女性に対する暴力撤廃のためのEUの取組みについて述べました。ジェンダーに基づく暴力をなくすためにEUが資金提供した「スポットライト・イニシアチブ」の成功を取り上げて、「今日の政治的激動の時代において、ジェンダーの平等は脅威にさらされている」と強調しました。欧州委員会は「女性の権利のためのロードマップ」を発表したばかりで、ジェンダーに基づく暴力からの解放を前面に出した長期的なビジョンを打ち出しています。

ナイジェリアのWomen at Risk International財団の創設者であり、UN Womenのイニシアチブである「女性に対する暴力をなくすためのACT」の西・中央アフリカ代表の市民社会運営委員であるケミ・ダシルヴァ=イブル氏は、「ここ数年、せっかく獲得した利益を積極的に押し戻し、暴力のサバイバーたちが依存する重要な支援システムを侵食する反権利運動の危険な高まりとともに、ジェンダー平等を推進する上で私たちが直面している不穏でますます複雑な課題を目の当たりにしています」と、この地域における暴力の割合が増加していることへの懸念を表明しました。彼女は、この活動を主導する女性の権利団体への資金提供の必要性を強調しました。ナイジェリアでは、女性の権利団体が、政府による対人暴力(禁止)法の施行に向けた行動計画の策定支援に尽力しています。

行動4:完全かつ平等な意思決定権

2024年、世界の4分の1近くの政府が、女性の権利についての揺り戻しを報告しています。 CEDAW(国連女性差別撤廃委員会)の前議長兼メンバーであり、欧州障がいフォーラムの副会長でもあるアナ・ペラエス・ナルバエス氏は、この揺り戻しに対抗する鍵として、意思決定の場に女性の居場所を確保する必要性を強調しました。特に、すべての意思決定システムにおける女性の平等かつ包括的な参加に関する最近のCEDAW一般勧告に言及しました。50-50のジェンダー平等の原則は、意思決定における平等を保証するこの勧告の推進力です。

行動5:平和と安全保障

ノーベル平和賞受賞者のレイマ・ボウィ氏は、平和構築において女性の声を重視することの意義について語りました。「私は、平和と安全保障に携わった経験のない女性たちが、自分たちの国が滅亡の危機に瀕したときに一歩を踏み出し、リベリアを取り戻すためにできる限りのことをした証として、ここに座っています。そして22年後、リベリアは軍国主義に逆戻りしていません。女性が平和と安全保障のプロセスに関わることで、そのようなことが起こるのです」と彼女は述べました。

アラブ連盟の事務次長補兼社会問題担当責任者であるハイファ・アブ・ガザレ氏は、この地域における平和と安全保障のアジェンダを推進する努力を強調し、UN Womenと協力して、アラブ女性調停者ネットワーク(Arab Women Mediator Network)を立ち上げ、外務省の大使たちを集め、地域の平和プロセスにおける女性の役割を強化し、国連安保理決議第1325号を実施するためのツールを提供していることなどを挙げました。

アクション6:気候正義

WEDO(国際NGO- Women’s Environment & Development Organization)のケイティ・トビン氏は、世界的なフェミニスト気候正義運動が、「ジェンダーが環境正義の基礎であると理解され、また女性や少女、ジェンダーに多様性を持つ人々の固有の経験や貢献が認められ、直接資金が提供されるために闘った」ことを語りました。

また、社会運動の構築と同盟が前進する唯一の道である、と彼女は付け加えました。

すべてのパネリストは、ジェンダー平等のための重要な一歩として、女性運動の役割を高め、支援し、持続的な変化を推進するために協力することを呼びかけました。

米国青年詩人ステファニー・パチェコ氏の言葉に要約されているように、「シスターフッドとは、私たち全員が含まれない限り、どんな会話も不完全であることを理解することです」。

(原文)
For ALL women and girls: CSW69 event announces action agenda to accelerate progress on women’s rights | UN Women – Headquarters

カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会

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