この極めて重要な時期に、大幅な支援金削減により、ウクライナの女性団体は人道援助を続けられなくなっている
2025年4月3日
3年を超えたウクライナ戦争がようやく停戦に向けた動きを見せる中、戦闘は激化しています。今年に入り米国は海外援助プログラムを一時停止しましたが、ウクライナへの人道資金も例外ではありません。UN Womenウクライナ事務所はその影響を調査し、プレスリリースを発表しました。
UN Womenは、突然の資金不足に対応し、女性と少女のための救命プログラムを確保するため、女性の権利団体に対する、より直接的で柔軟かつ長期的な資金の提供を求めます。
2025 年 3 月 12 日付
キーウ ― ウクライナの女性主導組織や女性権利団体(WRO)が米国による資金提供停止によって深刻な影響を受けていることが、UN Women、ウクライナ・ジェンダー平等政策政府委員会( the Apparatus of the Government Commissioner for Gender Equality Policy of Ukraine)、「人道活動におけるジェンダー」作業部会(the Gender in Humanitarian Action Working Group)による新しい調査で明らかになりました。
調査対象となった99団体のうち半数近くが、2025年1月の資金提供停止発表時に米国からの資金援助を受けていたか、またはそれを予定していました。このうち72%が、資金提供停止はウクライナ全体を対象とした緊急支援、人道支援、開発事業の継続を脅かしているとして、深刻な混乱を報告しています。また、5つの女性権利団体が来月中に閉鎖せざるを得なくなると発表し、全体では35の団体が、代わりの資金が見つからなければ6ヵ月後には活動を停止せざるを得なくなる可能性が高いと述べています。
ウクライナの女性権利団体にとって、資金調達は常に大きな課題です。2022年以降、ウクライナに対する国際資金のうち、ジェンダー平等の促進を目的とする資金の割合が大幅に減少しています。経済協力開発機構(OECD)の最近のデータによると、2022年から2023年にかけてのウクライナに対する政府開発援助(ODA)のうち、ジェンダー平等を目的としたものはわずか14%で、ODAの世界平均46%をはるかに下回っています。ジェンダー平等を主として支援するプロジェクトに使われた資金は、全体の1%未満でした。
米国が資金を削減したあと、現在66%の組織が人員削減を行っており、うち半数が今後3ヶ月の間にさらなる解雇を見込んでいます。加えて女性権利団体(WRO)の63%が家賃、光熱費、給与などの未払いの請求書に苦しんでおり、53%が契約上の義務を果たすことが困難であると報告しています。
「ジェンダー平等と多様性のプログラムに対する資金削減の長期的な影響は憂慮すべきもので、すでに93%の団体がそうしたプログラムを少なくとも1つ停止しています。最も大きな打撃を受けたのはジェンダーに基づく暴力(GBV)防止で、それは人道対応において元々最も資金が不足していた分野です」と、NGO「ガールズ」(Girls)の創設者であるユリヤ・スポリシュ氏は述べました。
「米国は金額の大きさでウクライナに対する最大の援助国でしたから、調査に回答した女性の権利団体が、安全保障情勢がより不安定になっている今、資金の削減が、最も脆弱な人々への支援を継続する能力にどのような影響を与えるかについて深く懸念しているのは当然のことです。多様性・公平性・包括性(DEI)プログラムに壊滅的な影響を及ぼし、調査に回答した女性権利団体(WRO)の93%が、少なくとも1つの取り組みの停止を余儀なくされています」と、UN Womenウクライナ代表のサビーネ・フライザー・グネス氏は述べました。
この調査結果は、ロシアの全面的な侵攻の中で女性と少女のための救命プログラムを維持するために、ウクライナの女性権利団体、特に東部と南部の紛争の影響を受けた地域で活動する団体に対して、より直接的で柔軟かつ長期的な資金提供が緊急に必要であることを強調するものとなっています。
「米国の資金援助の停止は、女性と少女を支援するプログラムに直接的な影響を及ぼしています。ロシア軍による性的暴力に苦しんでいる女性や男性に緊急の暫定的補償を提供することが困難となり、また、ロシアにとらわれていた帰還者たちへこのプロジェクトが届くことを遅らせてしまっています。地下に安全な学校を建設し、ロシアの攻撃で破壊された民間インフラを修復し、病院へのアクセスを確保し、エネルギー部門を復旧させるなど、多くの取り組みに影響を与えています。この影響は数十万世帯に及ぶものです。こうした困難な状況において、ウクライナは、ロシアの侵略からウクライナとヨーロッパを守るために、ウクライナとその国民を支援し続ける友好国と資金提供者の支援に大きく依存しています」と、ウクライナ・ジェンダー平等政策政府委員のカテリーナ・レフチェンコ氏は述べました。
それでも女性権利団体はくじけません。新たな資金獲得の仕組みを模索し、連携を強化し、変化する資金提供者の状況に適応しようとしています。今すぐ、女性権利団体に対するより多くの資金提供が必要です。ウクライナの女性指導者たちが、世界的な「女性・平和・安全保障(WPS)」や「人道」の指針に沿って、本当に意味ある復興をリードできるようにするためです。
今回の調査は、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントを達成するための最も画期的な「北京宣言と行動綱領」の採択から30周年を迎える第69回女性の地位委員会 (CSW)の開幕と時を同じくして、その結果が発表されました。
今回の調査「ラピッド・アセスメント」に関して
このラピッド・アセスメント(迅速収集評価)は、ウクライナ政府ジェンダー平等政策委員会、UN Womenウクライナ事務所、「人道活動におけるジェンダー」作業部会との協力のもと、人道支援、早期復興、開発分野で活動する女性主導組織や女性権利団体に対する米国の対外援助停止による影響を評価するために実施されました。
データ収集は2025年2月14日~21日の間に行われ、99団体が参加しました。ラピッド・アセスメントの結果によると、これらの組織の大部分(52%)は国レベルで活動しており、ウクライナの複数の地域にまたがって活動しています。また、41%は1つの地域のみで活動し、6%は地域レベルで活動しています。
(原文)
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カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会